「○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…」

この女性は娘を通じて、沙喜容疑者が高校卒業後、ホスト遊びにハマってキャバクラで働くようになったことなども知っていた。

「娘と沙喜ちゃんはLINEでやり取りしたり、電話する仲が続いていました。沙喜ちゃんはアパレルブランドで働いていましたが、そのころにホストにハマって借金を作って、三ノ宮のキャバクラやガールズバーで働くようになったそうです。ちょうどそのころに一人暮らしを始めたそうで、ウチの娘も一度だけ遊びに行って『沙喜ちゃんがつくった手料理を食べた』と帰ってきたことがありました。最後に沙喜ちゃんと連絡を取ったのは、今から7~8年前くらい。そのころ、出会った男との間にお子さんを授かったそうですがうまくいかなかったようで『シングルマザーでもなんとか頑張っていく』と話していたそうです」

まもなく生まれた子が、修くんだった。シングルマザーを決意した沙喜容疑者だが、友人に父親への憧れを口にしたこともあったという。

「沙喜ちゃんが家庭の事情について話すことはほとんどありませんでしたが、何度か『ウチ、小学校1年生のころから家事やらされてるねん』と不満を漏らしたことがあったそうです。同時に『○○ちゃん家は、お父さんがおってええなぁ…』とため息をつくようなこともあったようです。
あと、ウチの娘はたまに『沙喜ちゃんの腕は、どうして白いの?』と言っていました。どうやら皮膚が白く変色している部分があったようで、今思えば打撲傷の跡だったのかもしれません。当時は、沙喜ちゃんがお母さんから暴行を受けているとまでは知らなかったので、事件後の報道に考えさせられることはあります」

虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン)
虐待事件の現場となった集合住宅(撮影/集英社オンライン)

そして女性は、こう続けた。

「沙喜ちゃんが犯した罪は決して許されることではないけど、同じ障がい者の子を持つ親としては、少し同情してしまいます。障がい児やハンデを抱えている子は、普通の子よりも親の影響を受けやすいんじゃないかと思うんです。小さいころから虐待を受け、暴力で押さえつけられてきたから、自分のお子さんにも同じことを繰り返してしまったのかもしれないですよね。だとしたらこの事件の責任は、沙喜ちゃんよりもお母さんの方が重いんじゃないかと思ってしまいました」