カルチャーギャップと恋愛

中島 日本の20代や30代の若いライターやジャーナリストが、もっと中国について、バイアスをかけずに書くようになってほしいと思います。
 それに、綿矢さんのような人気のある若い小説家が中国の等身大の話、たとえば、中国人留学生と日本人の女の子の恋愛などを書いてくだされば、もっと身近に感じられるようになるのではないかな、と思います。私たちのようなノンフィクションの分野の書き手にはできないことを、ぜひ綿矢さんにお願いしたいです。
 そういえば、昔は中国人女性と日本人男性の恋愛や結婚が多かったですが、今、経済力が逆転して、中国人男性と日本人女性の恋愛が増えているんですよ。

綿矢 そうなんですね! 知らなかったです。舞台は中国ですか、日本ですか?

中島 私が知っている例は日本で、日本の大学のキャンパスなどで最近よくあるようです。今はファッションなどの面で、中国に憧れて、中国に関心を持っている日本の女子大生も多いですね。綿矢さん、日本人と中国人の恋愛小説をぜひ書いてください!

綿矢 面白そうですね。キュンとするポイントとかがちょっと違いそう(笑)。生活習慣や文化など、違っているところと似ているところ、両方ありそうですね。

中島 カルチャーギャップとか、障害があればあるほど、盛り上がってストーリーも面白くなるのではないでしょうか(笑)。日本に住んでいる日本人男性と中国人女性のカップルで以前、お味噌汁の中にパクチーが入っていて喧嘩になったという、面白いエピソードも聞きました。

綿矢 パクチーもネギも同じ薬味的な役割ですが、やっぱり違和感ありますよね(笑)。

中島 中国人は北京と上海でも食文化が相当違うので、中国人同士でもよく文化の違いでもめるんです。中国の北の人と南の人の結婚と、中国人と日本人の結婚は同じぐらい文化が違うと思います。
 国際結婚なら「仕方がない」と許せる場合もありますが、中国人同士だと逆に「許せない!」となって離婚に至るケースも……。中国にも嫁姑問題もあります。中国はとにかく国土が広く、さまざまな人がいるから面白いんですね。

綿矢 春節に食べる料理も、北の人と南の人とで違うと聞きました。日本でもお雑煮の作り方など地方によって違いますが、国が広い分もっと違いがあるかもしれませんね。
 お話、とても面白かったです。大変勉強になりました。今日はどうもありがとうございました。

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