簗氏と鈴木氏の茶番こそ、日本経済が衰退してきた理由

自民党部会で、鈴木宗男参院議員から叱責を受ける簗農相(写真/共同通信社)
自民党部会で、鈴木宗男参院議員から叱責を受ける簗農相(写真/共同通信社)

このやり取りでは、地元に金を持ち帰る商売そのものは傷つかない。簗氏の口の利き方を直すことと、不要な予算を減らすことの間には、何のつながりもない。

予算を配る政治家を叱るだけなら、自分の支持者を怒らせずに済む。本番は、自分が取った補助金が廃止の対象になったときだ。その場でも削減に賛成するのか。それとも、地元は事情が違うと言って守るのか。政治家の本性が出るのは、そういう場面だ。

IMFの2026年の推計では、ドル建ての名目1人当たりGDPで日本は台湾にも韓国にも抜かれた。円安の影響を受ける数字とはいえ、隣の経済に追い抜かれた現実は重い。なぜ、こんなことになったのか。

やはり自民党の裁量と恫喝に頼る行政が原因であることが、私には分かる気がする。予算を配って恩を売り、企業や農家は客より政治家の顔色をうかがう。不要な補助金も、支持者が困るからと守り続ける。今回の簗氏と鈴木氏の茶番を見て、日本経済が衰退してきた理由が改めて腑に落ちた。

文/小倉健一  写真/shutterstock