日本ユーザーの声で「職場でのハラスメント」「引きこもり」を追加
――このゲームでは、犯罪、災害、予期せぬ妊娠、差別など人生を困難にするようなたくさんの出来事が起きます。世界にはたくさんの問題があるなかで、何を基準に取捨選択したのでしょうか?
たったひとつだけ、原則があります。それは「実際の統計上起こり得る出来事なのであれば、それがどんなに深刻でも取り入れる」ということです。もし除外してしまったら、そうした出来事に見舞われた人生を生きる人々の存在を消し去ることと同義になってしまいます。
センセーショナルな演出はしません。その人自身の立場に立ち、助けが得られる選択肢を示すことを大切にしています。
世界にはたくさんの問題があって、その都度検討しています。プレイヤーから「こんなの私の国では起きない」と言われたら、データを調べて修正します。問題を追加することもあります。たとえば数日前、日本のプレイヤーからの声などを反映して「職場でのハラスメント」や「引きこもり」を追加しました。
一方で自殺については、要素としては含まれているものの、選択できないようにしています。理由や方法についても、一切表現しません。
――攻略法はありますか?
ありません。意図的になくしています。
お金をたくさん持っていたり、人間関係の点数が高ければ「成功」となるわけでもありません。そもそも、このゲームはそれぞれの人生を評価しません。
私が考える良い人生とは、「自分が何者かを知り、それに合った生き方をすること」です。開発者である私やAIを含む、他者が定義した成功を追い求めることではありません。
その答えは、自分の心が動いた瞬間や、決して手放すことのなかった大切な何かが教えてくれるはずです。プレイヤーは、ゲームで誰かの人生を体験することで、その答えに気付くのかもしれません。
このゲームを通して経験した誰かの人生は、最終的には、プレイヤー自身の人生へとつながっているのです。
――どうやって収益化しているんですか?
プレイヤーが過ごした人生を映像やアルバムなどに記録し、ほかの人がその人の人生を知ることができる「思い出パス」という機能が有料です。プレイ自体はすべて無料です。
お金を払って生まれる国を選んだり、成功する確率を上げることはできません。また、広告を入れ込むことも、このゲームにはふさわしくないと感じました。
企業から提案を受けたりもしていますが、開発に専念するためお断りしています。













