コロナ禍で常連が消えた…「昔ながらのゲーセン」を襲う苦境
薄暗い店内にゲーム機が並び、あちこちから電子音が鳴り響く。格闘ゲームの筐体(きょうたい)では、見知らぬ客同士が向かい合い、その後ろで順番を待つ人が対戦を眺める――。そんな風景を支えてきた、対戦格闘ゲームやシューティングゲームといったビデオゲーム中心の小規模なゲームセンターが、街から姿を消しつつある。
数字を見ても、ゲームセンター専業店は長期的に大きく減っている。警察庁によると、2011年には3730店あった専業店は、2021年には2328店まで減少。直近ではやや持ち直しているものの、10年間で約4割減った計算だ。
2026年8月、新潟県新潟市で40年以上営業しているゲームセンター「プレイハウスエリナ」が、「なぜ昔ながらのゲームセンターは減っているのか」と題した文章を配信サイトに公開。店が次々と消える現状を嘆く内容で、SNSでも反響を呼んだ。
なぜ、昔ながらのゲーセンは減っているのか。『日本の「ゲームセンター」史』の著者で、近畿大学文芸学部・非常勤講師の川﨑寧生氏は、いくつもの要因が重なった結果だとみる。そのひとつがコロナ禍だ。
「昔ながらのゲームセンターは、毎週決まった曜日に来るような常連のお客さんに支えられていた部分があります。見知った顔が集まることで、その店ならではのコミュニティや文化が生まれていたんです。そんな習慣がコロナ禍で一度途切れた。行かない生活に慣れて、そのまま戻らなかった人もかなりいたのではないでしょうか」(川﨑氏、以下同)
対戦ゲームでは、ひとりの常連客が来なくなると、その人を目当てにしていた客まで足が遠のくこともあるという。強い相手ともう一度戦いたい、いつものライバルに勝ちたい、店で知り合った仲間に会いたい。ゲームだけでなく、そこにいる人そのものが店へ通う理由になっていたのだ。
統計的な裏付けはないとしたうえで、川﨑氏は「そんな連鎖もあったのではないか」とみる。













