今期の強気な計画は達成可能なのか?

値上げを宣言したサイゼリヤは強気の姿勢を見せている。2027年8月期の営業利益を前期比29%増の212億円と予想したのだ。

注目すべきは、上期の営業利益を前年同期比0.6%減の86億円と見込む一方、通期では29%もの増益を計画していることだ。通期の営業利益から上期を差し引くと、下期は126億円もの営業利益を出す予想ということになる。

価格改定は10月29日からで、上期は値上げ効果が4か月、下期は6か月生まれることになる。しかし、これだけでは下期の利益が大幅に増加することの裏付けとしては弱そうだ。会社側は店舗の運営効率を上げることや、サプライチェーンの再構築、DXの継続などを重点施策に挙げている。

いっぽうで、どの程度の利益改善効果を生むのかについての具体的な言及はない。

計画達成のカギになりそうなのが国内の出店計画だ。サイゼリヤは2027年8月期に50店舗を新規出店し、15店舗の退店を見込んでいる。35店舗の純増だ。2026年8月期は17店舗の純増だった。2022年8月期以降、30店舗以上の純増は例がない。

計画を達成すると店舗数は1105店舗。業態転換や閉鎖が続いて店舗数が減少するガストは2026年9月末時点で1202店舗だ。サイゼリヤはいよいよガストを射程圏にとらえることになりそうだ。

特に新規出店が上期に出店が集中すれば、下期には新店の稼働が利益に寄与する可能性もある。ただし、その効果だけで下期の大幅増益を説明できるかは見極めが必要だ。

そして、値上げ後も客数を維持できるかどうかが最も重要である。

今回の値上げによって、集客力にどの程度の影響が出るのかは未知数。東証上場以来初となる本格的な値上げが、客数と利益にどう影響するかが注目される。

サイゼイリヤ
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取材・文/不破聡