中国のショッピングセンターに人が集まらない
2026年8月期のサイゼリヤのアジア事業は売上高が前期比17.1%増の981億円だったものの、営業利益は同4.2%減の97億円だった。アジア事業の営業利益率は12.1%から9.9%まで低下したのだ。
国内で低価格を維持する一方、利益を大きく支えてきたのが、中国を中心とするアジア事業だった。しかし、いまそれに陰りが見え始めている。
エリア別で見ると、2026年8月期の営業利益は上海で22.3%減少した。アジア事業の営業利益の約4分の1を占める上海エリアでの大幅減益は、事業全体の収益にも影響を与える。
サイゼリヤは中国展開において、大型のショッピングセンターや商業施設を重視してきた。しかも、商業施設内でも目立つ一等地にはこだわらず、賃料を抑えられる奥まった区画などを選ぶことで、低価格を実現する出店戦略をとってきた。これは経費を削減し、低価格で料理を提供する姿勢の表れだった。
しかし、中国では景気減速を背景に消費者の節約志向が強まっており、商業施設への集客状況もサイゼリヤの経営に影響する可能性がある。2026年9月の上海エリアの既存店売上高は前期比1.1%の減少、北京は0.8%の減少だった。上海は2025年9月から2026年2月までの売上高が10%以上前年を下回っている。
節約志向の高まりでサイゼリヤを選ぶ消費者が増えたとしても、出店先の商業施設自体の集客力が落ちれば、客数の維持は難しくなる。
また、中国のサイゼリヤでは、2024年と2025年に一部商品の値上げが報じられている。新京報が2024年7月に上海の2店舗へ取材したところ、店員は6月のメニュー更新で一部商品が1~2元上がったと説明した。ツナサラダが11元から12元、ポルチーニとチキンのチーズ焼きご飯が18元から20元になっていた。10%程度の値上げだ。
時代財経も2025年7月、一部商品の追加値上げを報じた。ガーリックチキンとベーコンのチーズ焼きご飯は18元から19元へ、前年に20元となったポルチーニとチキンのチーズ焼きご飯は21元へ上がったという。
中国では消費の伸び悩みに加え、外食市場での競争も激しくなっている。サイゼリヤが一部商品の値上げを進めるなか、これまで強みとしてきた割安感をどこまで維持できるかが、今後の収益を左右する重要な課題となりそうだ。












