盗まれた3本の行方はわからず
事件が起きたのは8月25日午前11時50分ごろ。被害に遭ったのは、中野ブロードウェイ1階にある高級時計店だ。奪われたのは、それぞれ数千万円の価格で取引される「リシャール・ミル」3本と「パテック・フィリップ」1本。販売価格は合計で約2億300万円にのぼるという。
社会部記者が事件の経緯を明かす。
「手口は極めて大胆かつ手際の良いものでした。店舗の入口付近にあったショーケースをハンマーで破壊し、わずか10秒ほどで高級時計4本を鷲づかみにして奪い去っています。店員にケガなどはありません。現在のところ強盗ではなく窃盗容疑での逮捕です」
警視庁捜査3課と中野署は防犯カメラなどを捜査し、2人の足取りを追った。逮捕されたのは、ピニャ・グスマン・ジェレミー・パオロ容疑者(23)と、マンサーノ・ケサダ・ボリス・アレクシス容疑者(33)。いずれもチリ国籍で住所・職業不詳だ。
「2人は8月21日、オーストラリアのシドニーから羽田空港へ短期滞在目的で入国したばかりでした。来日からわずか2日後に下見をし、その2日後に犯行に及んだとみられています。
事件直後、1人は電動キックボードに乗り、もう1人は徒歩で別方向へ逃走しました。2人は現場から数百メートル離れた場所で合流し、逃走に使ったキックボードや身につけていた衣類、帽子などを捨てて着替えています。その後、少なくとも1人がJR中野駅の改札へと向かい、その日のうちに新幹線で大阪へ逃走しました。
そして事件から2日後の27日夜、大阪市内の民泊施設に身を潜めていたところを警視庁の捜査員に踏み込まれ、身柄を確保されたのです」(前出・社会部記者)
マンサーノ容疑者は「時計を売って現金化し、母国へ持ち帰るつもりだった」「盗む計画をしたわけではないが、機会があればやろうと思っていた」「中野の店は薄いガラスで出入口も近くこれならできると思った」と容疑を認めているという。一方、ピニャ容疑者は「盗んだのは1本だけ」と主張し、一部否認を続けているという。
現在、盗まれた4本の高級時計のうち、3本の行方が分かっていない。警察が押収したのは、2人のうちどちらかが所持していた1本のみ。残る3本について、マンサーノ容疑者は「逃走中に落とした」と供述しているという。













