チャラくなりたい

――真面目な自分が嫌だなと思ったことは?

私は自分の真面目なところが好きなんです。20代後半、30代のところどころでは、“こんな真面目じゃなくてもいいのに”と思ったことはありますけど、45歳になった今もまだ真面目なので、もうこの性格は変えられないと思います。

――真面目を卒業する気配すらないということですね。

まだ真面目って言われますね。これからも真面目で生きようと思うけど、でもちょっとチャラチャラしたい気持ちもあるんですよ。ここからちょっとチャラチャラできるように努力をしていこうと思います(笑)。

――酒井さんの“チャラチャラ”とはどういったイメージですか?

夜の11時くらいに集合して、「始発まで時間があるからどうする? カラオケ行く?」みたいな会話を繰り広げるような感じでしょうか。それが私の中にあるMAXのチャラさです。私の理想とするチャラさ(笑)。

20代半ばくらいの頃、チャラチャラしてみようと試みた時期もあったんですけど、性に合わなくて辞めちゃいました。さも社交性が高いかのように振る舞っていたんですけど、全然自分に合わなかったですね。でもここからはちょっとチャラくなりたいです(笑)。

若い世代ばかりに目が向く世の中の風潮に1回パンチを食らわせる

――50代を見据える年齢ですが、どんな大人の女性に、あるいは表現者になっていきたいと考えていますか。

私は以前から、自分を1番活かすことができるのは50代からだと思っているんです。

若い時は「早く大人になりたい」と考えていたという
若い時は「早く大人になりたい」と考えていたという

――年齢を重ねることを楽しみにしている?

早く50代になりたいとまでは思っていないですけど、少なくとも「若者」と言われる年齢は早く抜け出したかったんです。10代の頃から“早く大人になりたい”と思っていたし、自分の中でなぜか“私は大器晩成型だ”って気持ちがずっとあって。

年齢を重ねれば重ねるほど、味が出てくるタイプだと信じてここまでやってきているので、歳をとることは全然怖くないし、むしろすごく楽しみです。

――今後何か挑戦してみたいことがあれば教えてください。

芸能活動ではないですが、2028年をメドに会社を作ろうと考えていて、それが私の後半の人生の軸になっていけばいいなと思っています。

――どういった会社なのでしょうか?

女性たちの第三の人生をバックアップできるようなことをしたいと思っています。2024年4月に、以前所属していた事務所が新規の芸能関係業務を休業すると発表して、私が退所することになったんですね。

私はその時点で十分にキャリアがあったし、それなりに知名度もあったかと思うんですけど、年齢の問題で次の事務所がなかなか決まらなかったんです(※現在はアービングに所属)。

社会は常に新しい才能を求めていて、面談をする中で「酒井さんがもうちょっと若かったら…。もしくは知名度がなければ……」と言われてしまうこともありました。「既に実績も知名度もある人よりも、無名の新人を育てたいんですよ」みたいなことも理由としてあって。

――実績があることが足かせになるというのは意外です。

自分のこの28年のキャリアって一体なんだったんだろうと、すごく虚しい気持ちになってしまったんです。

私と同じ世代の女性だと、若いうちに子どもを産んだとしたら、子育てがひと段落した人もいると思います。そのような方がここから私の人生を楽しむためにもう一度働きたいと思っても、年齢的に就職先が見つかりにくいという現実があります。

でも私は“そんなバカなことってある?”と思うんです。ここまで一生懸命子育てを頑張ってきたのに、会社勤務の経験が少ない、若くないという理由だけで、雇用先が見つからないとか、そんな理不尽な世の中をなんとかしたいと思っています。

まずは、自分が女性なので子育ても含め、一定の何かを10年以上続けた経験がある女性に焦点を当てるようなプロジェクトを立ち上げたいと思っています。

特に女性だけにこだわっているわけではないので、ゆくゆくはこれまで頑張ってきたのに再就職に苦しんでいるような男性も支援できたらと思っています。

若い世代ばかりに目を向ける世の中の風潮に、1回パンチを食らわせるような、大人たちのかっこよさにスポットを当てる会社を作りたいと考えています。

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取材・文/中山洋平 撮影/藤木裕之

酒井若菜 写真集 『ぴこぴこ。』
酒井若菜  佐内正史
酒井若菜 写真集 『ぴこぴこ。』
3960円(税込)
ISBN: 978-4065441923
俳優・酒井若菜の芸能デビュー30周年記念写真集。
台湾を舞台に、あたたかな風が吹く田舎道、湖を見下ろすラグジュアリーホテルの一室、人々が行き交う都心の交差点など、豊かな風景に身を委ねるようにして写した、飾らない「酒井若菜の今」。撮影を手がけたのは、写真家・佐内正史。酒井本人の強い希望によりこのタッグが実現した。
1990年代後半から2000年代にかけ多くの雑誌で表紙を飾り一世を風靡したのち、俳優、作家としての道を切り拓き時を経た2026年。大人の女性としての穏やかな輝きをたたえた“永遠のミューズ”の素顔にふれられる一冊となっている。
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