「はつめい博士の巻」(ジャンプ・コミックス42巻収録)

今回は、発明研究所の所長と両さんが知り合い、特許での一攫千金をねらうお話をお届けする。

冒頭で、本作が描かれた1984年発行の新千円札(絵柄は夏目漱石)をゲットして喜ぶ両さんの様子が描かれているが、当時流通していた紙幣を目にすることは、現在では少なくなっている。

『こち亀』がスタートした1976年に使用されていた紙幣は、1958年発から発行の一万円札、1957年から発行の五千円札、1963年から発行の千円札、1969年から発行の五百円札だ。

そして1984年に、五百円札を除く3種の紙幣が新たに発行されたのだ。五百円の新札は登場せず、1994年から硬貨へと切り替えられていった。

また2000年には、新たに二千円札が発行されたのが話題となった。もっともこの二千円札、現在ではすっかり見かけることが少なくなってしまった。2004年以降は増刷されていないとのことだ。

そして2004年には、皆さんが見慣れたデザインの一万円、五千円、千円札が発行された。

なお、紙幣の正式な名称は「日本銀行券」という。日本の中央銀行である日本銀行が発行する法定通貨だ。偽造防止のためにデザインが20年を目安に変更され、その印刷にあたっては常に最新技術が導入されている。

見た目が同じでも、「マイクロ文字」「特殊発光インキ」の採用など、偽造防止策が新規に導入されているのだ。

それでは次のページから、新札が発行された1984年の発明騒動をお楽しみください!!