「フィギュアを売ってお金を作るから、会ってくれないか?」

いっぽうのAさんも芸能界を夢見てアイドル活動をしていたもの、人間関係に悩み、夢破れてしまった。仕事も続かず、流れついた先が歌舞伎町だった。だが、ここで売掛が当然のホストクラブやサパークラブにハマってしまい、担当ホストからは数百万円のシャンパンタワーをねだられて応じるなど、しだいに金に困っていった。そのときに出会ったのが、石川被告だったという。

乃木坂46に憧れていたAさん
乃木坂46に憧れていたAさん

だが当時、石川被告の生活も破綻していた。Bさんが続ける。

「去年12月ごろにも石川から『また会わないか』という連絡が来ました。そのときは『自分が集めてるアニメのフィギュアを売ってお金を作るから、会ってくれないか』って…。手持ちの何かを売らないとお金がないくらい逼迫しているんだなと思いました。そんな自暴自棄な暮らしをしてないで、普通に働けばいいのにと思ってはいたんですが…もちろん私は石川には会いませんでした」

その後もBさんには、石川被告から一方的なLINEが送られ続けたという。

「石川は毎日のように意味のないLINEを送りつけてきました。今年1月下旬ごろには被害女性との関係があまりよくなかったようで『なぜか自分は無視されてる』などとも打ち明けてきてました。そして最後にLINEが来たのは1月30日。『AさんのLINEアカウントが変わったよ』という報告でした。私はもう、この2人には関わりたくないと思ったので、それには特に返信しませんでした。でもまさかその3日後に事件を起こすとは…」

石川被告からBさんに送られたLINE
石川被告からBさんに送られたLINE
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仕事もせず、自らの欲望を満たすために20代女性に大金を渡し続けていた石川被告。連絡がとれなくなった女性を逆恨みし刃物でメッタ刺しにする衝動の正体はいったいなんだったのか。公判は年明けになるという。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班