「霊感商法で訴えかけられているので、今すぐ解散、廃業をしないと…」
捜査の手が間近に迫る中で発したシャバでの最後の言葉。そこから浮かび上がるのは、「自己保身」とカネに汲々とする男の姿だった。
「今後のことについてみなさんにお伝えしたいことがあります」
関容疑者が代表理事を務める「一般社団法人浄霊ヒーリング協会」の会員に向け、こんな連絡が届いたのは12月10日のことだった。
団体の関係者がこう明かす。
「日曜日の夜のことです。ズーム会議を開くと連絡を受け、一体何があったのか、と慌ててオンライン会議に参加しました。そこでいきなり、団体の解散が告げられたのです」
関容疑者が神奈川県警に逮捕されたのは、この会議から3日後の12月13日。その日には、インスタグラムやX(旧ツイッター)といったSNSのアカウント削除や団体のホームページを閉鎖するなど、インターネット上から自身の痕跡を消すような動きもみせた。
会員向けの緊急オンライン会議は、まさに会員に向けた最後の弁明の場だったわけだが、そこでは何が語られていたのか。以下にその全容を公開する。
「じゃ、最初からね、お伝えしますね。まず、あの~、浄霊ヒーリング協会がですね、今、霊感商法で訴えかけられているので…、一旦、明主様の身を護るためにも、みんなのためにも、今すぐ解散、廃業をしないと、皆さんがね、一生懸命、浄霊やペンダントをお伝えした人たちまでもが加害者という立場になってしまう可能性があるんですね」
会議の冒頭でいきなり「解散」「廃業」を宣言した関容疑者。その理由として挙げたのが、「霊感商法で訴えかけられている」という主張である。
関容疑者は、団体内での信仰の対象となっている「明主様」、さらには会員らを「護るため」の措置としているが、自身が女子中学生に性的暴行を加えたことについては一切触れなかったという。