都の迷惑防止条例違反だけでなく、撮影罪の可能性も…

今回の事件の舞台である東京都の迷惑防止条例の「盗撮」にかかる部分は、学校を含んだ不特定多数が利用したり出入りする場所を対象としており、1年以下の懲役または100万円以下の罰金、常習の場合は2年以下の懲役などの罰則を定めている。

写真の内容が「わいせつ」と断定できなければ、画像の公表や販売等の行為があっても「わいせつ物頒布等罪」などに問うのは難しいという。しかし、今回のMの所業はさらなる違法行為を含んでいる可能性があると、奥村弁護士は語る。

自習室でもMは盗撮を繰り返していた(知人提供)
自習室でもMは盗撮を繰り返していた(知人提供)

「画像や名前や電話番号をネットでばらまくという行為について、本人や保護者が名誉毀損罪で刑事告訴することも可能です。また、お聞きしている範囲では、個人情報とともに犯意を促すようなことが書いてあり、それを読んだ人が実際にそこに行って住居侵入やわいせつ行為に着手したら、『教唆』での処罰も可能です。また、住所や画像をさらされたことを被害者が知り、わかったうえで本人と対峙して怖い思いをした場合などは脅迫行為で問える可能性もあります。
さらに撮影されたのが今年の7月13日以降であれば撮影罪を規定する『性的姿態撮影等処罰法』が施行されているので、そちらで問える可能性もあります」

法的手段を刑事に限らなければ、適用範囲は格段に広がる。

「民事であれば、そもそもそんな撮影は承諾してないとして肖像権を主張して損害賠償を問うことができます。また、塾の使用者責任を問うことも可能です。授業中や塾の教室内で行われることには使用者として責任がありますから」

いずれにしても、単なる「マニア」では片付けられない人物を雇用し、児童を危険な目にさらしてきた四谷大塚の責任も問われるだろう。

四谷大塚、本部がある中野校舎(撮影/集英社オンライン)
四谷大塚、本部がある中野校舎(撮影/集英社オンライン)
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実はMは、SNSに「自分は性犯罪の前科がある」といった内容の文面を投稿している。
政府は現在、子供と接する職場での就労希望者に、性犯罪歴がないことの証明を求める制度の創設を検討しているが、今秋提出見込みの関連法案では学習塾やスポーツクラブは対象から外される見通しとなっており、再考が迫られることは必至だ。

♯2では集英社オンラインが問題の動画を入手した経緯と共に、Mがおこなってきた投稿内容を詳報する。

※「集英社オンライン」では、今回の事件をはじめ学校や塾にまつわる事件、トラブルを取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(Twitter)まで情報をお寄せ下さい。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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