ガタイのいい男たちに羽交締めにされながら病院へ

息子が40歳を超えてなお、多額の小遣いを与え続けた両親。それには、拒めば高橋が暴力をふるうという理由もあった。「甘やかし続けることのみがモンスターを抑える唯一の方法だった」とA氏は両親を庇った。

「最近も親への暴力は続いていましたね。昔みたいに父親に馬乗りになってボコボコ殴る、ということはなくなりましたが、機嫌が悪いと不意に殴ったりとかね。これまでに何度も目の前で親を殴るのを見ていますし、何度も止めましたよ。特に父親への恨みと当たりが強い。なんでそこまでやるんだと問い詰めたら、『あいつらは一度俺を見捨てたんだ』と。真面目な顔で『過失致死なら懲役は長くないよね』と言うこともあって、本当にいつか父親が殺されてもおかしくないなとも思いました。

4度目の逮捕後、毎年秋冬ぐらいの季節になると父親が業者を雇い、無理やり祐也を世田谷の病院に入院させていました。ガタイのいい男たちに羽交締めにされながら、拉致されたみたいに連れていかれるのです。それが苦痛だったようで、なおさら恨みが増幅していった。父親も、あれだけ暴力をふるわれているのに、精神科のクリニックや、いろいろな場所への送迎をやっていました。もう定年を迎えて時間があったからだと思いますが、複雑な気持ちで見ていました」

猫とたわむれる祐也被告(知人提供)
猫とたわむれる祐也被告(知人提供)
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公判に出廷した父親は、祐也被告と同居の意思を表明していた。判決のあった7月31日にも父親は法廷に足を運び、傍聴席から祐也被告を見守っていた。

裁判では、本来なら息子のほうが面倒をみるべき高齢の父親が、被告のサポートを確約していることが評価された。父親に暴力を振るい、その一方で甘え続けた祐也被告は、結局父親の助けを借りることとなった。

とはいえ、祐也被告は2児の父でもある。後編では祐也被告自身の父の顔と、話題になった元アイドルとの今の関係を詳報する。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班