異例の特別待遇。白いテントはなぜ設置された?
いずれにしても警視庁は地検の「注文」をうまく料理して配膳することに成功したということだ。
社会部記者が続ける。
「極めて内向きの『被害者不在』の事件ですが、注目度は抜群に高く、また猿之助本人も自殺企図者なので、警視庁は一刻も早く送検したいし、起訴してもらいたいというのが本音ですね。身柄を入れた目黒署の中で万が一、自殺でもされちゃ大変だから、しばらくは留置管理にも普段以上に気を遣うことになるでしょう。
あと、これは余談ですが、猿之助が有名人であり、また自殺の可能性がある被疑者ということで、警視庁は猿之助の身柄を入れてから報道解禁してもらうために、記者クラブに事前レクチャーをしていました。いわゆる黒板協定というやつですが、目先の特ダネ欲しさにある新聞がこれを破って“早漏”しました(笑)。しばらくその社は警視庁クラブ出入り禁止になるでしょう。逮捕情報は1カ月以上前から噂されており、その間、あるテレビ局は逮捕の瞬間を撮影するため連日ハリコミをしていた。それだけ注目を集めた事件でしたから…」
6月27日、早朝から猿之助が入院していた精神科専門で知られる都内病院には50人ちかい報道陣が集まっていた。午前9時30分、複数の病院職員に見守られながら猿之助を乗せた警察車両は病院を出発した。車窓はカーテンで覆われ、顔を見ることはできなかった。
10時25分、目黒警察署に到着した猿之助は、逮捕された。
「普段、目黒警察署は車を降りる際に、裏口の扉まで距離があるので撮影ができるのですが、警察は猿之助に配慮して駐車場内に目隠しの白いテントを設置しました。大物ゆえの特別待遇です」(前出・社会部記者)
もとはといえば、自らのセクハラ、パワハラ疑惑を女性週刊誌に報じられたことが「心中」の動機だった。
それも5月3日から明治座(東京都中央区)で始まった「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」での昼夜2公演に出演していた真っ最中、座長自らが無責任に放り出した前代未聞の不祥事。代役を立ててなんとかこの難局を乗り切った「澤瀉屋」は、再び迎えたこの試練にどう立ち向かうのか。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班