代役は市川團子に。ファンは「心配だけど…」
一夜明けて、猿之助が明治座で演じるはずだった昼の部の公演の平知盛役は、五代目市川團子(19)が代役で務めることになった。二代目猿翁の孫、市川中車(香川照之)の長男である。歌舞伎ファンの間では早くも團子フィーバーが起き、SNSもこの話題で沸いている。
明治座に訪れていた60代の女性ファンもこう息を弾ませた。
「本当はそりゃ猿之助さんで見たかったけど、こんな状況になってしまったら中止にならなかっただけでも嬉しいわ。代役は市川團子ちゃんなの? 大抜擢ねえ。稽古していたのか心配だけど、まだ若い方だし、とにかく頑張ってほしいわね。ファンにとっては、誰がどうこうではなく、公演を継続してもらうことが嬉しいんじゃないかしら」
一方、澤瀉屋の贔屓筋の商店主はこう落胆した。
「猿之助さんはいつも朗らかで、話し方もテレビで見るまんまの方でしたよ。もちろん歌舞伎の世界なので芸以外の部分は見せませんし、猿之助さんは頭の回転が早い方だったから喋る内容も気を遣っていたと思いますよ。
ウチの商品も気に入ってくれていたみたいで、明治座に訪れるお客様が猿之助さんに差し入れていたというのも知ってます。
私どもがお会いした時も一緒に写真を撮ってくださったり、気さくな方でした。今回の公演も見に行きましたし、それはもう猿之助さんは素晴らしかったですよ。女性誌に書かれたような話も、そんなこと夢にもあるなんて思っていませんでしたし、何でこんなことになったのかとショックです」
「母親はすでに死後硬直が始まっていた」
19日、猿之助の自宅では現場検証がおこなわれた。捜査員が頻繁に出入りし、午後4時半ごろ自宅から段ボール6箱が捜査関係車両に運び込まれた。
社会部記者が語る。
「本格的な捜査は猿之助さんの聴き取りを待ってだが、司法解剖の結果、死亡した両親は外傷がなく、死因は向精神薬中毒の疑いがある。救急隊が到着した際、母親はすでに死後硬直が始まっていた。薬物を摂取したのがいつなのか今後明らかになるだろう」
醜聞とは決して無縁ではない梨園だが、ここまでの事件は異例だろう。
猿之助の体調は歩けるまで回復し、既に退院しているという。
※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。
メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com
Twitter
@shuon_news
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班