共犯関係のあぶり出しなどは現在も続いている

当初、取材班は四谷大塚側に事実確認を求めたが反応が鈍かったため、10日午後に森容疑者が所属する教室に直接取材を申し入れたところ、校舎長が森容疑者を伴って対応した。ところが森容疑者はこの時点で塾側に何の説明もしていなかったとみられ、記者から概要を聞かされた校舎長は「えーっ!」と絶叫しながら狼狽。あわてて森容疑者本人への事実確認を済ませた四谷大塚は即時に懲戒解雇を決定し、警視庁に通報。翌11日には編集部にもメールで回答を寄せた。それが次の文書である。

警察車両に乗り込む森容疑者(撮影/集英社オンライン)
警察車両に乗り込む森容疑者(撮影/集英社オンライン)

「残念ながら、このたびの森社員の件、御社からの連絡をいただくまで弊社は全く把握しておりませんでした。森社員本人に事実確認を行ったところ、盗撮と個人情報漏洩の事実を本人が認めたため、即時、懲戒解雇処分としました。また昨夜、警察署の方2名に校舎までご足労いただき、その時点でのスマホの任意提出をしてもらった後、森社員に弊社担当者も同道して警察署まで行き、本人より罪を申告しました。更に森社員の自宅に本人、警察官、弊社担当者と行き、森社員がパソコン1台、ハードディスク1台を任意提出いたしました。
本人の言動は、まことに講師としてあるまじきことであり、信じられない思いです。かかる人物を雇用してきた弊社としても、当然使用者としての責任を自覚しております。
今後については、弊社としても全面的に警察の捜査に協力させていただき、捜査を進めていただきます。もちろん、被害届を検討しておられるご家庭には、十分な協力をさせていただくつもりです。

今回の件については、生徒を預かる弊社として、絶対にあってはならないことであり、まずは被害に遭われた生徒の皆様と保護者の皆様はじめ弊社を信頼していただいてきた全ての皆様に、心からお詫び申し上げます。
さらに弊社として最も心配しているのが、被害に遭われた生徒の皆様の精神的なダメージです。当該生徒のご家庭には、警察の捜査の進行に差し支えない範囲内で今回の事実を正しくお伝えし、謝罪を申し上げるとともに、いつでも専門の精神科医に相談できる体制を早急に整え、生徒の心のケアを全力で行ってまいります。
今後、弊社は、警察にご指導をいただきながら、原因の究明と再発の防止に努めるとともに、二度とこのような犯罪を発生させないように対処してまいります」


この時点では、直撃してきた記者に「感謝」の気持ちまで伝えるメールを送り、雇用主の聞き取りにも「素直」に完全“自供”して猛省していたはずの森容疑者。しかしロリコン仲間に対しては「(グループは)廃止するつもりはありません」と宣言したうえで「東京都にお住まいの方で、どなたか私の動画が全て保存されているハードディスクを保管してくださる方はいらっしゃいますか?」などと、証拠隠滅を図るとともに自分の“コレクション”への執着を見せていた(#4を参照)。

ハードディスクの保管をロリコン仲間に依頼した森容疑者(知人提供)
ハードディスクの保管をロリコン仲間に依頼した森容疑者(知人提供)
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保護者らの処罰感情も強く、森容疑者の悪質性やロリコン仲間との共謀性なども考慮し、警視庁は玉川署に捜査本部を設置、捜査を進めていた。森容疑者から押収したパソコンやスマホなどの解析、共犯関係のあぶり出しなどは続いており、全容解明が待たれる。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班