「警察の調べに心神耗弱のふりをしているのではないか」と陰口
5月18日の事件発生時は、明治座で開かれていた「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」の真っ最中。昼夜2公演を務めていた猿之助の代役に、おいの市川團子(19)=市川中車(57歳、香川照之)の息子=と、中村隼人(29)の2人をあてて乗り切った。続く「六月大歌舞伎」(6月3日〜25日、歌舞伎座)では「性加害報道」で表舞台から消えていた中車が主役を演じ、猿之助の代役を務めた中村壱太郎(32)も活躍、舞台は連日満員で澤瀉屋の底力を見せつけた。
これで安心したのか、歌舞伎の興行元である松竹は猿之助が10月まで舞台を休演することを発表していた。これは言い換えると、11月以降の「猿之助復帰」をにらんでいたからにほかならない。父の四代目段四郎と母と「心中」してひとり生き残った猿之助が、本当に強制捜査を免れると思っていたのだろうか。
松竹関係者が語る。
「猿之助はああみえて、強運の持ち主。今回も中村隼人だけでなく、劇作家の横内謙介さん(スーパー歌舞伎などの作品を多数手がける)らを中心に『守る会』的な組織が自然と出来上がっていた」
松竹には古くから警察OBも表に裏に出入りしており、「サポート」を提唱する向きもあったという。
「普通に考えれば『逮捕はない』ということは考えにくいのですが、実際、松竹や澤瀉屋内でそういう話はでていました。ある警察OBも『なんとか逮捕させないように呼び掛けてみる』と言っていたという話を聞いた程ですから、まさかの逮捕に放心状態です。でもこうなった以上、猿之助にはとにかく早く真相について、自らが知っていることを正直につまびらかにしてほしい」(前同)
高をくくっていた松竹および澤瀉屋の関係者だが、一部の弟子筋からは不安とも不満ともつかない声も上がっていたという。
「最近は弟子筋からも、四代目に対して『警察の調べに心神耗弱のふりをしているのではないか』などというような陰口が聞こえるようになった。今後の舞台に関しては、四代目のあけた穴は、立役は隼人、女形は壱太郎で行くという方針が決まったそう。来月には、中車が人生初の宙乗りに挑み、話題をさらうだろう」(前同)