弟子に「お前らは家畜だ」とか平然と放送禁止用語で罵倒

高校時代、目立たず寡黙で歴史好きだった少年は、卒業後、世間から注目を集めていった。2007年にNHK大河ドラマ『風林火山』で武田信玄を演じて以降、テレビドラマ、映画、バラエティ番組に多数出演するなど、活躍は歌舞伎界に留まらなかった。
ある同級生は繊細だった「キノシ」を振り返りつつ、冷静にこう語った。

「校内に咲いている花をよく友達と眺めたりしていましたけど、今になって思えばちょっと繊細というか独特な感性だったのかもしれませんね。当時はパワハラやセクハラをするタイプではなかったですが、いつしか自分に従ってくる人間に対して傲慢になってしまったのかもしれませんね。
30代の頃に同級生で集まって飲んだときは、キノシは昔のナヨっとした感じが消え、凛々しさがでていました。。仕事で活躍するようになっていたし、昔は周りにいなかった同級生も『キノシ、キノシ』と集まるようになっていた。自分を取り巻く環境がガラッと変わり、勘違いするようになったのかもしれません」

高校時代の猿之助 (知人提供)
高校時代の猿之助 (知人提供)

いっぽう澤瀉屋内では、かねて水面下で猿之助のパワハラ体質が噂されてきた。
梨園と関係の深い松竹関係者はこう証言する。

「孝彦はひとことで言うと、繊細かつ傲慢で毒舌。頻繁に手を洗い、スキンケアにこだわるなど美意識が高い反面、傲慢なエピソードにもこと欠かない。女性誌にも書かれてしまったけど、特に弟子の扱いが酷い。気分次第で理不尽にキレて『お前らは家畜だ』とか、平然と放送禁止用語で罵倒するんです」

猿之助は、結婚するつもりがないことを公言していたため、跡取りは必然的にもうけにくい。しかし、このことで両親との仲が険悪になるようなことはなかったという。
数年前までは舞台の大道具をつとめた裏方と同棲生活を送り、最近想いを寄せた相手は、マネージャー業もつとめていた渦中の“俳優A”だった

Aは、自身も俳優をしながら何度かスポーツ紙やワイドショーを賑わせたことのある人物だ。そのAが猿之助と接点を持ったのは、数年ほど前だという。

「当時Aは新橋演舞場や明治座で大道具の仕事をして食いつないでいて、猿之助と言葉を交わすうちに親しくなり、飲食をともにするうちに急速に親しくなっていった。Aは男女を問わず年長者の心を掴む手腕に長けていた」(スポーツ紙記者)

猿之助のAの寵愛ぶりは澤瀉屋関係者の目に余るほどだったようだ。そして今回の事件で、猿之助は自殺を図った自室内に立てかけたキャンバスにこうメッセージを残していた。

<愛するA だいすき 次の世で会おうね>

<Aを喜熨斗孝彦の養子にし、遺産の全てを相続する>

ここまで一心に愛を注がれたAは、事件当日は現場で泣き崩れる姿をマスコミに目撃されている。事件直後の5月某日、Aの母は「集英社オンライン」の取材にこう答えた。

「(子どもが)歌舞伎関係のお仕事もしているとは聞いていましたが、猿之助さんの身の回りの世話までしていたとは聞いていません。猿之助さんはとても素晴らしい方だと聞いていました。舞台でもご一緒しており、兄のように慕っていました」

警察車両に乗り目黒署にはいった猿之助(撮影/集英社オンライン)
警察車両に乗り目黒署にはいった猿之助(撮影/集英社オンライン)

これまで寵愛を受け続けてきたÀは、猿之助の逮捕に何を思うのだろうかー。
逮捕後、再びÀの実家に電話をかけたが、電話はすぐに切れてしまった。


※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班