祖母は記者の問いかけに…

名簿には、氏名、住所、年齢、性別、支援者の有無など個人情報が集約されており、掲載人数は千数百人にも及ぶ。中野区は今後、名簿の対象者に謝罪文を発送するとともにコールセンターを設置して対応するという。

〈オレオレ詐欺消防士(23)が逮捕〉災害弱者救済用の名簿を悪用? 中野区長を激怒させたのは、祖父思いの元高校球児だった_3
中野区役所

一戸容疑者は青森県で育った。県立高校時代は野球部員として活躍し、3年夏の県大会一回戦に「8番・右翼」で出場し。4打数2安打3打点と大当たりでコールド勝ちに貢献した。同大会の直前に、毎年試合を見にきてくれていた祖父(享年74)を亡くしてからは練習に参加できず打撃の調子も落としていたが、試合当日は体のキレを取り戻し大活躍。「おじいちゃんが見ていてくれたのかな」とインタビューに応えるなどお爺ちゃん孝行の一面を見せていた。

青森で暮らす一戸容疑者の祖母は、記者の問いかけに肩を落とした。

「本当に亡くなった夫(祖父)思いの優しい子だったんです。上京して消防士になってから連絡もとれていない。何でこんなことになってしまったのか…。私もまったくわからない。申し訳ないのですが…」

天国の祖父は何を思うのかー。

取材・撮影・文/集英社オンライン編集部ニュース班