新しい店を開きたくても開けない…「古い法律」の壁

川﨑氏がより深刻な問題とみるのは、古い店が閉じること以上に、新しいゲームセンターが生まれにくくなっていることだ。

「ここまでお話ししたように、いろいろな事情が重なって従来のゲーセンが閉店してしまうのは、ある程度仕方がない側面もあります。それよりも問題なのは新規開店しにくいことなんです。

新しく店を始めるには当然、初期投資が必要ですし、電気代や人件費も上がっている。特に小さな店で十分な収益を上げるのは簡単ではありません」

風営法による立地規制や初期投資の負担から、小規模なゲームセンターは新規開店のハードルが高い一方、大通り沿いでは大型店の存在感が増している(写真/Shutterstock)
風営法による立地規制や初期投資の負担から、小規模なゲームセンターは新規開店のハードルが高い一方、大通り沿いでは大型店の存在感が増している(写真/Shutterstock)

川﨑氏によれば、さらに障壁となるのが、約40年前からゲームセンターを規制してきた風営法だ。

ゲームセンターの営業には公安委員会の許可が必要で、立地にも制限がある。開業時は問題のなかった場所でも、周辺環境の変化で新たな許可を取ることが難しくなるケースがあるという。

「知り合いの店でも、『今はここで営業しているけれど、一旦閉めたら、もうここではゲームセンターを開けない』という話を聞きます。新しい経営者が改めて許可を取ろうとしても難しくなる場合があるのです」

物価高や後継者不足、老朽化などが重なり、昔ながらの小規模なゲームセンターは存続の道を狭められている(写真/Shutterstock)
物価高や後継者不足、老朽化などが重なり、昔ながらの小規模なゲームセンターは存続の道を狭められている(写真/Shutterstock)

規制が始まってから約40年。川﨑氏は、ゲームセンターを取り巻く環境が変わるなか、制度とのズレも生じているとみる。

「ゲームセンターが風営法の対象になったことで、賭博や反社会的勢力との関係が切れたという点では、よかったと思います。

ただ、40年経てば法律にも“経年劣化”が起きます。新しい店をつくりやすくするためにも、風営法も今のゲームセンターに合った形へ見直していくべきではないでしょうか」