昔ながらの店は消えているのにゲーセン市場は4年連続拡大

客足が戻りきらないなか、追い打ちをかけるように電気代や人件費も高騰した。

さらに、昔ながらのゲームセンターでは、店主の高齢化や後継者不足も問題になっている。長く営業してきた店ほど、使い続けてきた筐体の老朽化も避けられない。

しかし、料金は簡単には上げられない。すべてのゲームが同じ価格ではないものの、汎用型のビデオゲームでは、今も「1プレイ100円」が根強く残るのだ。

「100円硬貨を投入してプレイする筐体だと、消費税や物価高に合わせて、料金を細かく上げるのは難しい。キャッシュレスなら120円、150円と変えられますが、多数の筐体にキャッシュレス決済端末を取り付ける費用や決済手数料が、小規模店では重荷になります。となると、値上げするとしたら次は200円。一気に倍額への値上げでは、当然ながら客足がさらに遠のくリスクがあり、値上げに踏み切るのも難しいわけです」

「1プレイ100円」の筐体は、値上げするなら次は200円になってしまう(写真/Shutterstock)
「1プレイ100円」の筐体は、値上げするなら次は200円になってしまう(写真/Shutterstock)

客は戻らない。料金は上げにくい。店主も筐体も年を重ねる――。一見すると、業界全体が縮小しているかのように思える。

ところが、ゲームセンター市場そのものは伸びているのだ。

日本アミューズメント産業協会(JAIA)によると、2024年度のアーケードゲーム市場は6148億円。2020年度の4187億円から、4年連続で拡大した。

その6148億円のうち、約68%にあたる4177億円を占めるのが、クレーンゲームなど景品獲得を目的とするプライズゲームだ。

クレーンゲームなどのプライズゲームは好調で、2024年度にはゲームセンター市場の約7割を占めるまでに成長している(写真/Adobe Stock)
クレーンゲームなどのプライズゲームは好調で、2024年度にはゲームセンター市場の約7割を占めるまでに成長している(写真/Adobe Stock)

もっとも、プライズゲームが業界の主役になったのは最近のことではない。1990年代後半から売上高でトップとなり、2000年代以降はメダルゲームと並んで市場を支えてきた。

近年はそこからさらにプライズゲームの比重が高まり、ビデオゲームとの差が大きくなっている。しかし、資金や人手の問題から、プライズゲーム中心の店づくりへ簡単に切り替えられない小規模店も多い。そうした店ほど、厳しい経営を迫られているのだ。