「両さん流錬金術'04の巻」(ジャンプ・コミックス145巻収録)

今回は、両さんが地域通貨による地域経済の活性化を図るお話をお届けする。

地方通貨は1990年代後半から2000年代にかけて盛んに唱えられていた概念で、日本銀行発行の法定通貨ではなく特定の地域独自の通貨を流通させることで、地域内でお金を循環させ経済活性化をねらうものだ。

当初は通常の紙幣と同じく紙によるものがほとんどで、発行や管理、運用に莫大なコスト(物理的にも、金銭的のも)を要し、不正使用の問題なども発生してした。

近年になり盛んに提唱されているのが、地域通貨のデジタル化だ。これによって大幅にコストが削減できると謳われている。

しかし実際には、通貨を使用できる店側の負担がクレジットカード並みに大きかったり、特定の企業にコントロールされてしまっていたり……といったように、なかなか課題は多いように思える。

そして、国が保証する現金や、既存の企業が運営するクレジットカードや電子マネーなどの便利で多様な決済方法を持つ利用者に対して、はたしてメリットを提示して使ってもらえるようになるのかは、現状では不明だ。ふた昔前と同様に、絵に描いた餅にならないことを願う。

それでは次のページから、両さん流の地域通貨による地域経済活性化計画の顛末をお楽しみください!!