すでに『一枚岩』ではなくなってきている
また、弟子たちの中にも「不協和音」が出始めてきているという。一門に近い関係者が明かす。
「猿之助さんの代役は今後、立役(男性の役)は中村隼人(29)、女形は中村壱太郎ということが決まったといいますが、2人それぞれ、萬屋、成駒屋という“よそのおうち”の役者さんで、ずっと澤瀉屋の公演に付き合わせるわけにはいきません。
また“猿之助”の名前は、團子くんが継ぐというのが“既定路線”とされていますが、それも、四代目の承諾がないと五代目となることはできない。仮に猿之助さんが逮捕されたとしたら、当代が塀の中にいる状態で“襲名”という慶事を行うことは考えにくく、逮捕がなかったとしても、猿之助さんは、事件直前のスポーツ紙のインタビューに『團子の実力はまだまだ』という内容を話しており、早々に“許可”が下りるとは思えません。
お弟子さんたちは、どうなるのか先が見えない中で、ストレスを抱えてしまっており、澤瀉屋を出て、ほかのおうちに弟子入りすることを真剣に検討している役者もいるそうです」
そんななかで、興行主である松竹は「猿之助の舞台復帰」を諦めていないという。
「松竹は公式に『猿之助は10月まで舞台を休演する』と発表しており、つまりは、11月以降からの復帰も匂わせているのです。猿之助は、市川團十郎(45)と並んでチケットが売れる役者。ドル箱を手放す気はない、ということでしょう。そうなってくると、“邪魔”となるのが、いとこである中車さんの存在です。
現在、中車さんは、父親である三代目猿之助(現・二代目猿翁・83)のお弟子さんの面倒を給料面も含めて全部見ている。四代目の弟子たちも、そちらに合流すると見られていますが、中車さんがワントップという形で、澤瀉屋を背負っていくとなると、四代目が戻ってきたとき、帰る場所がなくなるのでは?と心配する向きもある。そのため四代目のお弟子さんの中からは『中車さんとは一緒にできない』という声も上がってきている。すでに『一枚岩』ではなくなってきているのです」(前出・一門に近い関係者)
当事者である猿之助は、現在、都内のメンタルケアを専門とする病院に入院中で「精神耗弱の状況にあり、取り調べにもきちんと応じられない状況」(全国紙社会部記者)だという。
「本人は現状、もう俳優として舞台に復帰しようという意志や気力はないという内容の話をしているのだとか。舞台に戻るとしても、演出かスーパーバイザー的な立場で、ということしか考えにくい」(同前)
定式幕の裏側では、芝居よりも複雑な人間模様が渦巻いている――。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班