子どもの窒息時の対処法

こども家庭庁や日本赤十字社は、子どもが食べ物をのどに詰まらせたときの兆候として、声が出なくなる、顔色が青くなる、のどをつかむようなしぐさをする、といった症状を挙げている。

強い咳ができる場合は、咳によって異物を排出できる可能性があるため、咳を続けさせながら注意深く見守る。

一方、声が出ない、十分に咳ができない、呼吸が苦しそうといった場合には、直ちに119番通報し、異物を取り除くための応急処置を始める必要がある。

1歳以上の子どもの場合、まず背中の肩甲骨の間を手のひらの付け根で強くたたく「背部叩打法(はいぶこうだほう)」を行う。

具体的には、子どもの上体を前に傾け、後ろから片手を脇の下に入れ、胸と下あご部分を支えて突き出し、あごをそらせる。片手の付け根で両側の肩甲骨の間を強く迅速に叩く。

背部叩打法(こども家庭庁HPより)
背部叩打法(こども家庭庁HPより)

これで取り除けない場合は、後ろから抱えるようにして腹部を圧迫する「腹部突き上げ法」を行う。後ろから両腕を回し、みぞおちの下で片方の手を握り拳にして、腹部を上方へ圧迫する。

そして背部叩打法を5回、腹部突き上げ法を5回、交互に繰り返していく。

腹部突き上げ法(こども家庭庁HPより)
腹部突き上げ法(こども家庭庁HPより)

腹部突き上げ法を行った場合は、異物が取り除けても内臓を傷つけている可能性があるため、速やかに医師の診察を受ける必要がある。

1歳未満の乳児では腹部突き上げ法は行わず、背部叩打法と胸部突き上げ法を交互に行う。

胸部突き上げ法は、片腕に乳児の身体を乗せ、手のひらで乳児の後頭部を支えながら頭部が低くなるように仰向けにして、もう一方の手のひらの付け根で乳児の両乳頭を結んだ線の中央のやや足側を強く圧迫する(5回を1セット)。

意識がなくなり、正常な呼吸が確認できない場合は、直ちに心肺蘇生を開始する。また、慌てて口の奥に指を入れると、異物をさらに押し込んでしまうおそれがある。見えない異物を指で探ることは避けなければならない。

日本赤十字社は、掃除機で吸い出そうとしたり、水や白湯を飲ませたりする方法についても、危険があるとして注意を呼びかけている。

応急処置は、実際の場面で正しく行えるよう、消防署などが開催する救命講習で事前に学んでおくことが望ましい。東京消防庁公式チャンネルなどにやり方を解説した動画があるので、親は必ず確認してほしい。

また、食事中の窒息事故を防ぐには、食品の選び方に加え、食べる環境も重要になる。こども家庭庁は、食べ物を口に入れたまま走ったり、遊んだり、話したりすることを避け、落ち着いた姿勢で食事に集中させるよう求めている。

一度に大量の食べ物を口に詰め込ませず、一口ずつ飲み込めているかを確認することも大切だ。眠そうなときや泣いているときに、無理に食べさせることも避けたい。

「一口サイズだから安心」「いつも食べているものだから大丈夫」。そんな思い込みが、思わぬ事故につながることもある。

幼い子どもの食事では、食材の種類だけでなく、切り方や硬さ、食べているときの様子まで、大人が注意を払うことが欠かせない。

文/集英社オンライン編集部