罪状は覚せい剤所持の教唆

「あなたの痴漢人生はここでもう終わりですよ」

お馴染みの決めゼリフとともに、痴漢をしたと思われる人たちを今野容疑者が「私人逮捕」と称して制圧する「ガッツch」は登録者26万人以上の人気YouTubeチャンネルだ。痴漢だけでなく盗撮、薬物、詐欺事案など動画は多岐にわたる。

11月13日には別の名誉棄損の事件で逮捕された私人逮捕系YouTuberの杉田一明容疑者(40)とも行動をともにしており、私人逮捕系YouTuberの逮捕が続いている。全国紙記者が語る。

「ガッツchは痴漢をしたと思われる男性を追いかけ、捕まえて警察まで連れていったりするのですが、ときには羽交い絞めにしたり持ち上げたりする暴行スレスレの過激な動画がウケて人気がありました。追いかけていた男性が駅の階段から転げ落ちた動画などはやり過ぎだという批判もありましたが、本人は痴漢撲滅のためなら自身の逮捕もいとわないというスタンスです。

痴漢や盗撮以外も取り上げていて、ここ最近は覚せい剤の売人などをハメ呼び(騙して呼び出すこと)して捕えようとする動画もあげていました」

今野蓮容疑者らが運営していたYouTubeチャンネル「ガッツch」
今野蓮容疑者らが運営していたYouTubeチャンネル「ガッツch」
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これまでにも覚せい剤の取引が行われると情報提供を受けた今野容疑者が、現場で売人と思われる人物を特定し、警察に引き渡すなどした動画が複数回アップされて話題を呼んでいた。本件も、覚せい剤の売人をハメ呼びして動画を撮影して逮捕されたと捜査関係者は言う。

「容疑者らは覚せい剤を使用している人間が集うネット掲示板を使って、売人に新宿駅まで覚せい剤を持ってこさせた。実際に売人は覚せい剤を所持していたわけだが、いくら目的が覚せい剤撲滅だとは言っても、一般人がおとり捜査のようなことをすれば、共犯や教唆にあたる可能性がある」