「(叩いている方たちは)生活が充実してないのかなって思います」

「死ねクソガキが。お前、人のことぶっ壊してな、なめてんなよ、コラッ」

動画では上下白のスウェットを着た容疑者の女性が、肩から血を流し倒れている男性に向かって怒声を浴びせている。倒れている男性の周囲では複数の人が懸命に応急処置を施している様子が撮影されており、そこにはピンク色のパーカーを着て男性の頭部側で応急処置に携わっている青笹氏の姿があった。

救助にあたった青笹氏(@iori_axel_acさん提供)
救助にあたった青笹氏(@iori_axel_acさん提供)
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青笹氏は島根大学医学部医学科卒で医師免許を取得しているが、医師にはならず動画マーケティングの分野で活躍する実業家。YouTubeチャンネル『令和の虎』でも若き虎として活躍している。騒然とする事件現場で応急処置を行うとは勇気ある行動だが、一部ネット上で「医師免許とっただけで研修してないくせに応急処置をしていた」「(研修をやってないなら)野次馬と一緒」「目立ちたいんじゃないか」などと批判が集まっていた。

青笹氏に批判について尋ねると一刀両断した。

「(叩いている方たちは)生活が充実してないのかなって思います。人命救助に当たった人たちを叩くというのは正義と正義のぶつかり合いではなく、明らかに間違っているのが一目瞭然ですよね。人として間違ったことはしていない」

当時の現場についてはこう振り返る。

「この日はご飯を食べた帰りに現場を通りかかりました。私が通ったときはもう人だかりができていて、その先に被害者が倒れているのが見えました。倒れている被害者の止血を女性がしようとしているところで、他にもホストの男性が『救急車を呼んでくれ』と延々と周囲の人に頼んでいる状況でした。私は誰が犯人でどういう状況か、周囲の方に聞いて確認しました。警察はまだ来ていませんでしたが、容疑者の女性は周囲の男性に取り押さえられていたので、通り魔でないなら応急処置に危険はないと判断し、被害者に近づきました」

青笹氏(本人SNSより)
青笹氏(本人SNSより)

青笹氏は状況を見つつ、周囲の人たちに救急車の要請やAED、救急キットを持ってくるよう叫んだというが、このときの彼らの様子について〝異様〟だったと語る。

「救急車に関してはホストの男性がすでに要請していたので、誰かが比較的早くに動き出してくれましたが、あとは“フル無視”でした。30~40人の人たちが被害者を取り囲むようにして、ひたすらスマホを構えて無言で近づいてくるんです。どれだけ話しかけても何も聞えてないような感じで、ちょっと恐怖を感じるレベルでした。例えるなら変な宗教団体みたいなイメージです」