「京大出身、I Tベンチャー社長でモデルの妹がいる」
山本容疑者の虚言は他にも枚挙にいとまがない。彼は被害男児の母親にも嘘をついていたようだ。
山本容疑者と母親はオンラインゲーム上で出会った。同じくオンラインゲーム上で知り合った山本容疑者の“知人”によると本当は「長野県出身の高卒の40歳の一人っ子、職業不詳」なのに、何を妄想したのか「京都大学出身の29歳、東京都目黒区在住のI Tベンチャー社長でモデルの妹がいる」と知人たちには”盛りに盛った”設定で自身のことを話していたという。
実際、山本容疑者が生まれ育った地域を歩いてみても、告発者の証言通りの人物像しか浮かび上がってこなかった。
長野県山ノ内町にある山本容疑者の実家は、長野電鉄長野線の終着駅、湯田中駅から夜間瀬川沿いに徒歩で30分ほどの距離にある、小さな木造の旅館。ニホンザルが入ることで有名な渋温泉街の細道にあり、石畳の路地に昔ながらの木造旅館が立ち並ぶレトロな風情のある街並みだ。近所に住む60代の女性はこう語る。
「山本さんちの一人っ子で、子供の頃はお母さんや近所の人たちに『ハクちゃん』と呼ばれて可愛がられてました。小学校、中学校とスキー部で頑張って、地元の新聞に名前が載っていたこともありました。スキーって遠征やら合宿やらでお金がかなりかかるんですけど、山本さんちはちゃんと通わせていたみたいだし、海外に留学させたりして手塩にかけて育てていたと聞いています。
県内のスキーの強豪私立高校を卒業して、その後に整体系の専門学校に通ってたけど、結局リフトやゴンドラを取り扱う索道会社に就職したはずです。その頃は索道会社もお給料がよかったみたいですよ。でも、そこもいつの間にかやめて、市場で働くようになったと聞きましたが、近所のスーパーやコンビニの駐車場で時間をつぶしてる姿をよく見かけたので、真面目に仕事をしてる様子はなかったですね。
ご実家の旅館を継ぐつもりもないみたいで、スマホやパソコンのゲームばかりしているとお母さんがよくこぼしていました。お母さんは『あの子はホントに嘘ばっかりつくし、口論になっても訳わからないことを言って誤魔化すのよ』とかなりまいっていましたね。
ハクちゃんの奥さんと子供さんが一緒に住んでいた時は3人で散歩していたりと、ごく普通に幸せそうな家庭だったのに、いつの間にか2人が出ていってしまって。ご両親も最近は少し寂しそうでした」
嘘つきの見栄っ張りに暴力をふるわれ、意識不明の重体に陥った男の子の一日も早い回復を祈るばかりだ。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班