漫才は「システム」「リズム」「ヒューマン」
どこの街にもある、安くてうまい立ち呑み屋。年齢も性別も関係なく、誰もが心をひらいて気楽に過ごせる場所だから、ついつい本音や悩みがポロリとこぼれてしまう……。
そんな“人生交差点”でほろ酔いになりながら、読者から寄せられたお悩み相談にのるのは、芸能界の天国も地獄も味わった“無敵の炎上芸人”とろサーモン・久保田かずのぶ。
名店「立ち飲み居酒屋ドラム缶大塚店」で4杯目のハイボールを飲み干し、箸休めとして注文したのが「オクラのわさび漬け」だ。
――今年のM-1で注目している芸人さんはいますか?
ドーナツ・ピーナツ、ぎょうぶ、オズワルド、カゲヤマです。彼らはみんな工夫をしているんですよね。試行錯誤しながら、おもしろいことをしようとしている。
――そういえば、先日のキングオブコントで2位に輝いたカゲヤマのおふたりと決勝直後に劇場で会ったとか。
うん。ネタについてちょっと意見を言わせてもらいました。「なんで2本目がうんこのネタなのにケツ出さないの。(1本目でケツを出すネタが大爆笑を誘ったんだから)もう1回、ケツ出したらいいやん。そしたら最初のネタとつながって、ストーリーになるから」って。
――勉強になります。
僕は漫才って3つに分けられると思っているんです。「システム」「リズム」「ヒューマン」。システムは構造、リズムはテンポ、ヒューマンは人間性ですね。
M-1の歴代王者に当てはめてみましょうか。パンクブーブーはシステム。ノンスタイルはリズム。ミルクボーイはシステムとリズム。チュートリアルはシステムとリズムとヒューマン、全部。
トレンディエンジェルはヒューマン。錦鯉もヒューマン。ウエストランドもヒューマン。ちなみに、とろサーモンもヒューマンです。最近のM-1はヒューマンが全面に出たコンビが勝っています。
――昨年、久保田さんはM-1を見ながらYouTubeで生配信していましたよね。ヨネダ2000で大爆笑していましたが、彼女たちはどうですか?
あれはノージャンル。僕もちょっとわからないです(笑)。
ヨネダ2000ってひとり2役というか、何人も役を演じるようなネタが多いでしょ。「あいつらのネタって絶対トリオ用だよな」って思っていたから、本人に聞いたんですよ。
そしたら、「なんでわかったんですか? 私たち、もともと3人の感じのネタを作っていたんです」って言ってましたわ。