こむら返りは筋肉のセンサーが誤作動を起こしている
いわゆる「こむら返り」は病名ではありません。医学用語では「有痛性筋けいれん」と言います。
痛みを伴う筋肉のけいれんのことですが、「こむら」はふくらはぎのことを指すので、その周辺が痛くなることを「こむら返り」と一般的に呼ばれています。
ふくらはぎ以外でも、すね、足の指、太もももなりやすいです。
こむら返りは、高齢者の場合はさまざまな病気の原因となって起こることがありますが、足の筋肉や腱に備わったセンサーが誤作動を起こすことによって、起こることがほとんどです。
人間の筋肉は2つのセンサーがあります。
ひとつは筋肉の中にある「筋紡錘(きんぼうすい)」で筋肉が伸びすぎないようにするセンサーの役目があります。筋肉が伸びると筋紡錘は脊髄を通して筋肉に縮むように命令します。
もう一つのセンサーは筋肉と腱の境目にある「腱紡錘(けんぼうすい)」です。
筋肉や腱が伸びすぎないようにするだけでなく、縮みすぎないようにするセンサーの役割を持っています。
通常、腱紡錘は筋肉が伸びたときは、脊髄に情報を送って縮むように命令し、反対に筋肉が縮むと伸ばすように命令します。
これは私たちが自分の意思で筋肉に命令しなくても自動的に行なわれる反射です。
ですが、さまざまな理由でこの腱紡錘のセンサーが働かなくなることがあります。
すると、筋肉が縮んでも脊髄に情報が伝わらないので、筋肉が収縮しっぱなしの状態になりけいれんを起こしてしまうわけです。
これがこむら返りの状態なのです。