全ての人の血管が年とともに硬くなっていく
私たちの体に張り巡らされている血管。血管には動脈、静脈、毛細血管の3種類があり、これらがそれぞれの役目を担いながら体の中に存在しています。
そして、血管の中を流れているのは、ご存じの通り血液です。血液は体の細胞や各器官に酸素と栄養を届け、いらなくなった老廃物や二酸化炭素を回収する働きを担っており、それが正常に行われることによって体は健康が保たれているのです。
「血管」は、生命維持に欠かせない血液の通り道。その血管に不具合があれば、血液が全身に行き渡らなくなり、命に関わる影響も生じてしまいます。
さて、その血管が、年齢とともに硬くなっていくことをご存じでしょうか。どんなに健康的な生活をしている人でも、若々しい人でも、誰しもの血管が、20歳くらいを機に徐々に硬くなっていきます。もちろん私だって、例外ではありません。
主に硬くなるのは動脈なのですが、血管が硬くなるこの現象を「動脈硬化」といいます。これが健康によくないとか、恐ろしいというのはなんとなくご存じの方もいるでしょう。しかし、具体的に何が恐ろしいのかは、ほとんどの人は知りません。
しかも、自分の体の中で今まさに進行していることを認識している人は非常に少ないのです。「動脈硬化」というと、肥満や、長年の不摂生な生活がたたって起こるというイメージを抱く人も多く、「自分は大丈夫」と思っている人もいるようです。そんな思いを裏切るようですが、誰しもの血管が年とともに硬くなります。
すなわち、動脈硬化は、例外なしに誰しもの血管に起こっているのです。「人は血管とともに老いる」という有名な言葉もあります。そして、老いていく、つまり「老化」によって起こる現象のひとつが「動脈硬化」なのです。