♯3 26年前、能代工にいた「リアル桜木花道」。バスケは下手でもリバウンドと人柄が武器。田臥勇太が語る“2つ上の田中” とは? はこちら

インターハイ前の恒例「地獄のOB戦」

田臥勇太ら「下級生チーム」で高校バスケ3冠も…能代工「力がなかった3年生」が今も“自分たちの代で勝った”と思う理由_1
能代工「1996年世代」でマネージャーを務めた金原一弥さん
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高校バスケットボールにおいて最初のビッグタイトルとなる7月末のインターハイを前に、能代工には“地獄”が待っている。

大学に進学したOBが夏休みを利用して母校を訪れる。彼らは練習着を身にまとい、後輩にあたる現役の選手をプレーで激励する。多ければ1日5試合。それが連日、絶え間なく続く。

能代工のお家芸である速攻劇。オールコートで相手にプレスを仕掛け、自陣ではゾーンで守り、相手の隙を突いてボールを奪い攻勢に転じる――相手が高校生であれば圧倒できる戦術も、フィジカル、技術と全てにおいて優るOBたちには通用しない。

「もう嫌……本当に嫌でした!」

菊地勇樹が1年生当時の記憶を呼び覚ます。

「どこを攻めたらゾーンを崩せるかとか、パスが通りにくいかとかを見抜かれているので、歯が立たないんです。それで、(加藤)三彦先生に怒られて……っていうのが延々続く(苦笑)」

こってりと絞られること、およそ1週間。インターハイ直前に収穫できるハイレベルな「基準」は、選手たちにとってあまりにも大きい。

2年生センターの小嶋信哉は、大学生とのOB戦の意義を冷静に分析していた。

「ボールの運びとかシュートのリズムっていう部分では、高校生はまだ安定感がないなって、そこで改めて感じますよね。だからこそ、相手に合わせず自分たちのバスケットをしっかりやろうって思っていました」