試合数とプレーできる期間

各高校のサッカー部は10月から全国高校サッカー選手権の地区予選を戦い、11月半ばまでに代表が出そろった。全国大会は年末年始に行われる。
高校野球は9月から10月にかけて秋季大会が行われ、11月18日から各地区優勝校が集まって明治神宮大会が開催された。

そう書けば、高校サッカーも高校野球も「秋深まってなお盛ん」な印象を受けるが、両者には決定的な違いがある。
サッカーの選手権予選には3年生も出場するが、野球の秋季大会は2年生以下だけの大会となる。野球部の3年生は「夏の甲子園」の予選で敗れた時点で引退するからだ。あとは就職活動または受験勉強に集中する時期というわけだが、その慣例が戦後70年以上変わっていない。
バレーボールも、バスケットボールも望む生徒は、12月まで試合に出ることができるが、高校球児はレギュラーも補欠も2年半で引退だ。人気の部活動として沢山の生徒を抱えながら、他競技に比べて試合数も少なければ、活動できる期間も少ない。

このように改めて他競技の視点、例えばサッカーの常識から高校野球を眺めると、高校野球がいかに前時代的で高校球児のためになっていないかがよくわかる。

また、筆者は元高校球児であり、現在も野球を愛してやまない。だからこそ、甲子園至上主義である高校野球界に一言物申したいのだ。