最後までチグハグだった森保采配

勝機は“面白くなかった”岡田ジャパンの再現にあり。森保ジャパンがドイツ戦で「番狂わせ」を起こす条件_1
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11月17日、ドバイ。森保一監督が率いる日本代表は、カナダ代表に1−2と敗れた。アディショナルタイムでのPK献上は、最悪に近い結末だった。

ただし、カタールW杯直前の試合だけに調整の意味合いは大きく、結果を論じてもあまり意味はない。そもそも、カナダ戦の先発メンバーで、23日に行われドイツとの開幕戦に出場する選手は2、3人程度。主にコンディション面のテストだった。

浅野拓磨は2ヶ月ぶりの試合で完全に空回りしていたが、板倉滉が順調に回復し、計算が立ったのは収穫だ。

とはいえ、森保監督の采配に関して言えば、過去1、2を争うほどチグハグだった。選手の特性に合ない起用法だけでなく、最後の5バック変更など、ひたすら個性を潰しているように見えた。

しかし、もはや賽は投げられたのだ。
はたして、森保ジャパンは強豪ドイツ戦で勝ち点を拾えるのか。
番狂わせの条件を探った。

格上のドイツ相手にどう戦うか


まず、4度の世界王者であるドイツは、日本よりも格上である。1982年から2014年のW杯まで9大会連続でベスト8以上。前回の2018年W杯こそ、グループリーグで敗退したが、それまでは日本が悲願とするベスト8を軽くクリアし続けてきた。

言うまでもなくドイツは、戦力的に日本を上回る。世界に冠たるバイエルン・ミュンヘンのヨシュア・キミッヒ、トーマス・ミュラーなどを中心に、欧州チャンピオンズリーグの強豪、ボルシア・ドルトムント、ライプツィヒの「国内組」で構成。他にプレミアリーグの有力クラブ、チェルシー、マンチェスター・シティの主力を擁する。

ただ、フランクフルトでヨーロッパリーグの立役者になった鎌田大地など、日本代表の中にもドイツに立ち向かえる戦力がないわけではない。分は悪いが、日本はひるむことなく戦うべきである。

真っ向勝負も面白い。日本は選手のキャラクター的には、高い強度で守り、カウンター一辺倒になるよりも、俊敏性と技術をコンビネーションで融合させたプレーを得意とする。彼らを束ねることで、十分に勝機もあるはずだが……。

ここでポイントとなるのが「森保のサッカー」だ。誰がなんと言おうとも、森保監督は己を曲げずに挑むだろう。