昨シーズンUEFAヨーロッパリーグ優勝を成し遂げた勢いそのままに、今シーズンも活躍を続ける鎌田大地。得点を量産し、現在ブンデスリーガの平均評価点ランキングでトップに輝くなど、ワールドクラスの領域へと着実に近づいている。

UEFAヨーロッパリーグ(以下、EL)優勝の裏話や今シーズンの躍動、気になる来季について、ブンデスリーガに精通し、鎌田への独占インタビューが話題を呼んだスポーツライター・ミムラユウスケ氏に話を伺った。

攻守両面で貢献して勝ち取ったヨーロッパタイトル

――昨シーズン、鎌田大地が所属するアイントラハト・フランクフルトはELで優勝しました。チームの中で鎌田はどういう役割を担いましたか?

シーズンを通してレギュラーとしてプレーし、チームをEL初優勝に導き、なおかつELのチーム得点王だったのは、まず単純に素晴らしいと思います。

ただ注目すべきは攻撃面だけではありません。そもそもフランクフルトのオリバー・グラスナー監督は守備にうるさい人で、守備的なチームを作ることを得意としています。なおかつ昨シーズンのチームは前線に攻撃的でアクの強い選手が多かった。そういうチームにおいて、味方選手が作ってしまう守備の穴を、高いサッカーIQで鎌田が埋めていました。

こうした守備の働きは数字に表れにくい地味な作業ですが、シーズン途中に「俺が求める守備を、お前はしっかりとやってくれている」と、監督から直接伝えられたそうです。攻守両面でチームに貢献できていたからこそ、監督の信頼を勝ち取り、試合に起用されたのだと思います。

レンジャーズとのEL決勝はPK戦までもつれこみましたが、鎌田は自らキッカーに名乗り出て、しっかりと決めました。そのハートの強さも、彼の魅力の一つですね。

――昨シーズンは2人のセカンドトップの一角で、今シーズンはそこから一列後ろに下がったボランチでの起用が増えている中、得点を量産しています。その要因は何ですか?

選手としての彼の分かりやすい特徴は、ボールを持った時にスッと背筋が伸び姿勢がよく、ピッチ全体を把握できている点にあると思います。それゆえ「あのスペースが空きそうだな」とか、「このルートを走ってあのスペースに顔を出せば、シュートまで持ち込める」、という“予測”が非常に優れている。

今シーズン、コンビネーションに優れた献身的なチームメイトが増えたので、予測に優れた鎌田が周りから活かされるシーンが、より多くなっています。その結果、ボランチにも関わらず、既に昨シーズンよりもゴールが多いという結果に繋がっているのだと思います。

実は、ボランチでのプレーを鎌田自身も前々から望んでいました。テクニックがある選手なので、ボールを触れば触るほど、彼の中でいいリズムが生まれやすいのでしょう。ボランチになってボールを触る機会が増えているのも、好調を引き出している要因の一つですね。