チーム・ケルンとはサッカードイツ代表をサポートする分析チーム。代表チームとケルン体育大学が2006年に立ち上げた共同プロジェクトで、対戦国の選手や戦術、セットプレーなどを分析している。4年ごとに開催されるW杯とUEFA欧州選手権に向けて、その大会の2年前にチームが発足され、大会終了までの2年間が任期となる。
今回インタビューを試みた大野氏が所属しているのはカタールW杯に向けたチームで、2020年に発足したという。

チーム独自の分析方法や、日本のスカウティング結果等、日本人スタッフへ、特別に話を聞くことができた。

チーム・ケルンが担当するのは“個人分析”

――まずはチームチーム・ケルンについて説明していただけますか?

チーム・ケルンで経験を積めばドイツサッカー界に就職する上での強みになるので、応募者が年々増えています。入るには筆記試験を通過する必要があり、今回は約130人の応募者の中から63人が合格しました。私のようなケルン体育大学の学生・大学院生と、すでにドイツサッカー界で分析官やコーチとして働いている人たちで構成されています。

63人の分析スタッフが6グループに分けられ、それぞれに一人のグループリーダーがいます。各グループはW杯の対戦相手5〜6カ国分を担当します。私のグループの対象国には、グループリーグ初戦の相手である日本代表も含まれています。

ドイツ代表チームには分析担当者が3人いるのですが、戦う可能性のある対戦国の全てを分析するには莫大な時間と労力が必要になってしまうので、チーム・ケルンが対戦国の「チーム分析」と「個人分析」を引き受け、そのデータを代表チームに送る、という感じです。

ちなみに、私が担当する日本代表選手の個人分析は既に終わっていて、レポートとビデオを提出済みです。

日本代表も丸裸に。W杯ドイツ代表を支える分析集団“チーム・ケルン”の日本人スタッフを直撃_1
大野嵩仁氏。ケルン体育大学で学びながら、自力で交渉してドイツ6部リーグのチームに入団し、移籍を経て、現在はドイツ4部リーグでプレーする現役プレーヤ ーでもある
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