チャンピオンズリーグに学ぶ弱者の兵法

「敵を知り、己を知れば、百戦して百戦危うからず」

必ずどこかに勝ち目はある。それを探すことこそ、サッカーの醍醐味とも言える。弱点を見つけ、そこに自分たちの最強をぶつけ、肉迫する。言うは易く行うは難し、だが…。

ヒントはある。

欧州最前線の戦いから、それを学び取ることはできないか? そこで、欧州チャンピオンズリーグ(CL)でリバプールとの準決勝まで進んだスペイン、ビジャレアルの戦いをひとつの範とすることにした。

ビジャレアルは、人口わずか5万人の町を本拠にする。その彼らが10倍近い予算規模を誇るメガクラブに対抗し、打ち負かした事実は特筆に値するだろう。マンチェスター・ユナイテッドと同じグループを勝ち上がり、ユベントス、バイエルン・ミュンヘンという欧州のメガクラブを立て続けに撃破。それも偶然的な戦いに頼らず、再現性のあるプレーで金星を勝ち取っているのだ。そんな彼らの戦い方を森保ジャパンに照らし合わせながら、勝利のシナリオを見極める。