地元紙記者が解説する。

「昨年9月に塩尻市内にある自宅の金庫の前で、丸山希美さん(当時・47)が首を絞められ遺体で発見されました。殺人に使用された凶器も見つからず捜査は難航していましたが、県警は夫で自民党県議の丸山大輔容疑者(48)を逮捕。丸山容疑者は容疑を否認しています」

丸山容疑者の経歴はキンピカそのものだ。近隣住民が続ける。

丸山容疑者
丸山容疑者
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「県内でも屈指の進学校として知られる県立松本深志高校を卒業したあとに慶応大学経済学部に進学。その後、20年ほど前に先代である親父が亡くなったことをきっかけに実家の笑亀酒造を継いだんだ。
商工会議所の会長をやってた親父も集まりがあると、(地域の名所である)高ボッチ高原に『三千段の階段を作って地元の若者を集めよう』と言ったりするアイディアマンだったけど、大輔も地元の公民館の竣工式の際には蔵の酒の小瓶を参加者に配ったり、秋になれば店先にクス玉を用意しては新酒祭りをやったりとサービス精神旺盛で真面目だったよ」

先代が酒造を仕切っていた時には新潟から10人以上、杜氏(とうじ)が出稼ぎに来ることもあったという。

「家にはピアノもあったし、遊びに行けば餅も貰えた。こんな田舎には似つかわしくないハイカラな家族だったね」(同)

亡くなった希美さんも都内の有名大学を卒業し、地元では知られた名門一家のご令嬢だった。地元住民が語る。

「のんちゃん(希美さん)の実家は東京や九州、仙台にも営業拠点を持つ名門漆器店。400年以上の歴史を持つ、地元でも老舗中の老舗です」
地元の名家同士の結婚。周囲も大いに祝福したという。

「のんちゃんは塩尻市内で行った結婚式に地元の中学や公立高校の同級生を男女問わず呼びました。孫が生まれてからはご両親も頻繁に旦那さんの実家を訪ねていたようですし、今年のお正月にはお孫さんたちが自宅の前を雪かきしていたね」(同)

丸山容疑者の選挙は文字通り“家族総出”で応援していたと地域の漆器店従業員は漏らす。

「塩尻市は全国で初めて共産党の市長が生まれたほどで、伝統的に自民党が選挙に弱いとされる地域です。市議の経験もない丸山さんがいきなり県議選に出馬して当選できたのは、奥さんの実家の後押しがあってこそ。木曽漆器工業協同組合の集まりでも“今度、義理の息子が出馬するのでお願いします”と、希美さんのお父さんが何度も頭を下げて回っていました」

亡くなった希美さん・ANNより
亡くなった希美さん・ANNより