2005年のシリーズ初作品で最優秀新人監督賞を受賞

「この『トマレ』と表示されたスマホは、次回作に出てくる“時間停止グッズ”です。これをポチッと押しながら『ストップ!』と叫ぶと、時が止まるんですよ」

そう冗談交じりに語るこの男、ささきうずまき氏こそ、多くの男性が一度は見たことがあるであろう“時間停止AV”の生みの親だ。

ささき氏は2003年に監督デビュー。世の男たちの妄想を形にするバラエティ(企画モノ)を得意とし、その代表作が「時間よ止まれ!」シリーズだ。

新作で使用される“時間停止グッズ”
新作で使用される“時間停止グッズ”
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主人公が「時間を止める」「部分解除」「時間巻き戻し」「録画」といったスケベな機能が搭載された”魔法の時計”を使って時間を操り、女性にイタズラしていく――。

2005年、そんな斬新な設定である『時間よ止まれ! パート1』がリリースされると、世の男性たちに大ウケ。その年の「SOD大賞」で最優秀新人監督賞を受賞した。

その後、派生作品が多数生まれて一大ジャンルとなった“時間停止シリーズ”。そんな“世紀の大発明”が生まれたきっかけは先輩の一言だったという。

「ある日オフィスで、先輩監督に『もしも時間が止まったら、ドラえもんの世界みたいで楽しそうだよなぁ……』と言われまして。
そのときは『たしかに面白そうだけど、どうやって撮るつもりだろう?』と適当に聞き流していたんですけど、翌週の企画会議で、その先輩から『ささき君はバラエティ系の作品をよく撮ってるし、これ(時間停止)もできるでしょ』と企画を丸投げされました……(笑)。

当時は“時間停止”の作品なんてなかったし、どんなストーリーにすればいいのかまったくわからない。とはいえ新人の身では断れないのでしぶしぶ引き受けたんです」