遺棄現場は合戦で命を落とした武者の「首塚」付近

女は同市に隣接する同県函南町生まれの住所不定、無職、浅沼かんな容疑者(24)で、遺棄された女児の母親とみられる。男は住所不定、無職、A容疑者(20)。
事件は5月27日早朝、一部炭化している乳児の遺体を見つけた釣り人の通報で発覚した。発見時には現場から煙が上がり、まだ火がくすぶっている状態だったという。

遺体遺棄現場付近の海岸(撮影/集英社オンライン)
遺体遺棄現場付近の海岸(撮影/集英社オンライン)
すべての画像を見る

現場の千本浜は、戦国時代の合戦で命を落とした武者たちの「首塚」があることで知られる。1900(明治33)年、暴風雨の翌朝に松林の中で露出した頭蓋骨が見つかり、調査の結果、百体以上に及ぶ人骨が出土。そのほとんどが青年男子の頭蓋骨で、戦国時代の戦の結果の首実検後に葬られたとみられている。乳児の遺体を損壊、遺棄した容疑者の男女がそうした経緯を知っていたかどうかは不明だが、現場一体はそういう場所なのである。

浅沼容疑者については、「文春オンライン」が「300万以上のツケを抱える“ホスト狂”」と報じた。その内容によると、高校卒業後すぐに結婚して娘を出産して20歳ぐらいまでは夫と暮らしていたものの育児放棄の末に離婚、生活の拠点を大阪に移してからはホスト遊びにハマり、実家にまでホストの取り立てが行くようになったという。

借りた金は当然返せず、大阪にも居場所を失い、実家からも縁を切られた浅沼容疑者は、大阪時代の担当ホストだったA容疑者と共に、地元に近い沼津のネットカフェに居つくようになった。沼津署が2人を発見した「宿泊施設」がそれだ。同店店長が語る。

浅沼容疑者とA容疑者が宿泊していた漫画喫茶(撮影/集英社オンライン)
浅沼容疑者とA容疑者が宿泊していた漫画喫茶(撮影/集英社オンライン)

「2人がいた期間は半年以上とかなり長い期間になりますが、継続継続で支払ってもらっていました。長い期間見かけないこともなかったので、ずっとうちを利用してたんだと思います。ただその間、誰ひとりとして赤ちゃんを見たり泣き声を聞いたという従業員はいなかったので、不思議です。うちの店はコロナで2020年10月に一度潰れたけど、コロナが落ち着いてきてなんとか2021年の6月に再オープンしたのに、こんな事件に巻き込まれてしまって、閉店しないか心配です」