日本版「ミシュランガイド」掲載で
欧米人からの人気が爆発 

昨年10月の新型コロナの規制緩和をきっかけに訪日ブームが再燃。日本政府観光局(JNTO)が発表した2023年4月の推計値によると、外国人観光客の数は2019年同月比で66.6%の194万9100人。コロナ前の約7割弱までインバウンドが回復している。

そんな外国人観光客から今、圧倒的な支持を集めるのが、東洋一の繁華街と呼ばれる歌舞伎町の近くにある「新宿ゴールデン街」だ。
戦後の闇市に端を発し、時代とともに飲み屋街に変貌していった新宿ゴールデン街は、現在もレトロな景観を残す、新宿界隈でも飲み慣れた”通”が集うエリアとして知られる。

「昨今の外国人観光客は定番の観光スポットにはあまり興味がなく、よりディープな場所をめぐる傾向にある。日本には外国人でも楽しめるナイトスポットが少ないため、新宿ゴールデン街が人気なのでしょう」(旅行業界関係者) 

新宿ゴールデン街 
新宿ゴールデン街 
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2009年には、日本の観光地を紹介する『ミシュラン・グリーン・ガイド・ジャポン』に掲載されたことから、外国人観光客の数は一気に増加したといわれている。

5月某日の夜8時すぎ。取材班がゴールデン街に訪れると、すでに多くの人で賑わっていたが、その8割以上が外国人観光客だった。
それも中国や韓国といったアジア系ではなく、欧米系が圧倒的に多い。路上では多くの外国人が立ち止まって、その独特の風景をスマホで撮影しており、店内を覗けばバーの店員以外に日本人の姿がほとんど見られない店も少なくなかった。

そういった外国人たちに配慮してか、店先には「Cover Charge/1,000(チャージ1000円)」や「No Cover Charge(チャージ不要)」という英語の張り紙が散見される。

関西から旅行で来ていた30代の男性も驚きを隠せない。

「せっかく東京に来たからにはゴールデン街で飲もうと思って来たんですけど、外国人だらけで正直ビックリしています。聞こえてくるのは知らない言語ばかりで、まるで異世界に迷い込んだ気分。どうせなら日本人の方とおしゃべりしたいんですけどね(苦笑)」