〈立てこもり〉“一番大事なものは「命」、次に「金」”長野4人殺害・青木政憲容疑者の卒業文集の中身。クラスメイトからは「空を飛べそうな人」「社長になりそうな人」と変わり者扱い、小学生の頃は医者を夢見ていた
長野県中野市の立てこもり事件で警察官を含む男女4人を殺害した疑いで逮捕された青木政憲容疑者(31)。地元の名士で市議会議長を務める青木正道さんの息子として知られる一方で、同級生の間では「変わったやつ」として有名だったようだ。中学時代に青木容疑者が卒業文集に書き記していたのは「命」と「金」についてだった。その内容から人物像に迫ってみる。
「金の無い者は生きていけないからであります」
「被害者の女性に悪口を言われたと思ったので殺した。射殺されると思い、駆けつけた警察官も殺した」
長野県中野市で女性2人をナイフで刺し、通報を受けて駆けつけた警察官に向かって猟銃を発砲して殺害した青木政憲容疑者(31)はそう供述しているという。

中学時代の青木政憲容疑者(同級生提供)
何の罪もない人達の命を次々と奪った青木容疑者だが、中学校の卒業文集には「自分が思う事」というタイトルで、それとはまったく真逆の内容を記していた。
まずは第1章である「大事な物について」から一部抜粋する。

卒業文集より
〈この世の中で最も大切なのは「命」だと思います。では二番目は何かと問われたら私は間違いなく「金」と答えるでしょう。なぜなら、貨幣経済(貨幣をなかだちとして生産物の交換が行われる経済。)において金の無い者は生きていけないからであります〉
〈よく聞く綺麗事に「心にゆとりを持ちなさい。」というのがあります。それは金持ちの言う言葉であって、金の無い者や、職業に就けない者が心にゆとりなど持てる訳がないと思われます〉
〈また、健康にしても、病気になった時や怪我をした時など、金がなければ満足な治療も出来ません。また金があれば、多少外見がよくなく、人間性が悪くても異性に人気がでるかもしれません。(質は良くないであろうが)〉
文集は2章だてで構成されているのだが、「大事な物について」という章では終始、お金の大切さについて語り、命の次に大切なのはお金だと締めくくっている。
青木容疑者の中学校時代を知る人物の中には「変わったやつ」と答えた人が多かった。
「どう変わっているのか?」と尋ねると「子供っぽさがない」と答えた人もいたが、文集に書かれている内容に目を通すとそれにも頷ける。
幼稚園の年中から戦争映画や洋画を観ていた
青木容疑者は「自分の趣味」という第2章で自身の嗜好についても触れている。
こちらも彼の内面を知るうえでの手掛かりになると思われるので、一部抜粋して紹介する。

卒業文集より
〈自分は今まで、様々な事をやってきて、今の自分がある今日この頃であると思われる。しかしながらどれも浅く広くであった〉
〈敢えて言えば野鳥ぐらいである。自分は幼い時分より飛ぶ物に非常に興味があった。故に幼稚園の年中の頃より、様々な戦争映画や、洋画ばかりビデオを借りてきて見ていた〉
驚かされるのは幼稚園の年中の頃より様々な戦争映画や洋画ばかりを見ていたという記述だ。1章、2章の記述を通して、中学生にしては大人びた印象を受ける。
最後は〈これは卒業文集なので、中学の思い出をかかなければと思い書く事にする〉と中学校時代のエピソードで締めくくられているが、どこかとってつけたような印象で、じつにあっさりとした文章となっていた。
また、青木容疑者はクラスメイトが選ぶ「〇〇そうな人ランキング」で「空が飛べそうな人」で2位、「お笑いコンビになりそうな人」で3位、「社長になりそうな人」で2位にランクインしていた。
「目立たない少年だが、勉強もできて、どこかクラスで一目置かれた存在」だったとある同級生は語る。

卒業文集より
いっぽう、小学校の頃の卒業文集では野球をテーマに執筆、将来の夢は「医者」だった。
かつて命を救うことを夢見た少年は、なぜ4人もの命を奪ったのかー。

卒業文集より
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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