和田愛子区議(38)はフランスのファッションブランド「アニエスベー」の偽物のバッグを通販サイトで仕入れ、フリマアプリで8300円で転売して2000円ほどの利益を得た疑いで3月に書類送検され、今月9日に20万円の罰金刑を受けた。また、一部報道によると和田区議は送検容疑以外にも偽ブランド品を販売していた疑いもあるという。
和田区議は各報道の取材に対し、「模造品だと明確には理解していませんでした」「送検容疑以外で、偽ブランド品を販売したと認識しているものはない」と回答しているが、罪を犯し、罰金20万円の略式命令を受けたのが選挙告示の5日前だったことが問題視され、波紋をよんでいる。
“偽アニエスベー”をフリマサイトに転売して罰金20万! 和田愛子(38)足立区議は蓮舫議員の後輩で2児の母「旦那の実家で獲れたジャガイモをくれた」「お金に余裕はなかったんじゃないかな」
立憲民主党から足立区議選に出馬し、5月21日に初当選したばかりの和田愛子区議(38)が、去年5月にフリマアプリを通じて偽ブランド品を販売したとして、商標法違反容疑で警視庁に書類送検されていることがわかった。和田区議は今月9日、東京簡裁から罰金20万円の略式命令を受け、すでに罰金を納付しているという。党側からは除籍処分を受けているが、自身の進退については今のところ明らかにしていない。足立区議選に当選した区議らは26日から任期が始まるが、和田区議の動向に注目が集まっている。
罪を犯した時点で議員の資質はない

書類送検されていたことが報じられた5月24日、和田区議は党側に離党届を提出したが、党側は、事実を隠して公認を受けていたことなどを重く見て離党届は受理せず、除籍処分とした。
政治部記者が語る。
「立民東京都連はこのことを把握していなかったようで、緊急の常任理事会を開き、離党届は受理せず、罪を犯した時点で議員の資質はないと『公職の辞任勧告』と『除籍』の処分を決定しました。和田区議は蓮舫参院議員と同じ青山学院大学出身で、後輩として目をかけられていたこともあって候補者の中でも今後が期待されていた」
和田区議とはいったいどのような経歴の持ち主なのだろうか。
和田区議の知人が語る。
「もともとイギリスからの帰国子女で、青山学院大学を卒業して銀行の営業をやっていたと聞きました。旦那さんも働いていますが、いつも朝カジュアルな服で出かけていくのでサラリーマンではないと思います。足立区に引っ越してきてからはまだ10年経つか経たないかくらいじゃないかな。旦那さんと保育園に通う娘さんと小学生の娘さんがいて、保育園の娘さんを自転車で送っていく姿をよく見かけますよ。いつもパンツスーツ姿でどちらかと言うと地味な方なのですが、可愛らしい顔立ちをしてるので年配の男性の一部には人気があって『和田愛ちゃん』と親しまれています。お子さんとスーパーで買い物をしていたり、趣味のマラソンをしているのを見かけるくらいで生活にも派手さはまったくないですね」

和田区議と蓮舫参議院議員(本人HPより)
人なつこい性格で、いつも明るくくだけた調子で話しかけてきていたという。
数年来の付き合いだという商店の店主は和田区議についてこう語った。
「気取ったところのない話しやすい人だよ。子供のためによりよい地域にしたいというのが一番の理由で区議をやりたいと話をしていたな。『コロナの支援金の申請方法などわからなければ私もお手伝いしますので。何でも相談にのりますよ』なんて言ってくれたり、『旦那の実家で獲れたジャガイモです』って届けにきてくれたりもした」
和田区議に電話をかけると…
2021年7月の東京都議選では足立区選挙区から出馬するも落選。
この時のことを前出の商店店主が振り返る。
「前回出馬していた都議選の時は落選した後にも駅前に立って『ありがとうございました』とお礼を言っていたんで、すごく熱心な人だなって思った。よっぽど議員をやりたかったんだと思うよ。
今回は区議選が終わった日曜日にたまたま会ったんだけど『選挙期間中お騒がせしました』とガラガラの声で言われたので、『声大丈夫?』って声をかけてね。選挙期間中に出来ることをやって相当努力してたんだと思う。
今回の区議選では選挙事務所を借りる場所も相当悩んでいましたし、街宣車も使わず自転車で回っていました。前回の都議選で落選して金銭的にも後がない状態だったんじゃないかな」

和田区議の選挙ポスター
選挙には供託金をはじめポスターやチラシと様々なお金がかかる。和田区議は「寝ている赤ちゃんや夜勤明けの方、在宅ワークの方などの生活の妨げになるだけではなく、税金のムダづかいになる街宣車は使いません」とホームページに書いているが、街宣車を使うお金がなかったのではないかと見る向きもある。
「子育てしてたら、それなりにお金がかかるでしょう。小学生の娘さんは地元ではなく、遠くの小学校に通っているし、ダンスやピアノなど習い事もしていた。自宅マンションも分譲で購入しているからお金に余裕はなかったんじゃないかな」(前出・店主)
登記簿上では自宅マンションを購入する際に夫の名義で1500万円、和田区議の名義で1000万円の合計2500万円を銀行から借入を行い、まだローンは残っている状態だ。
偽ブランド品の転売を行った理由について和田区議は「選挙資金のために販売した」「処分を重く受け止め、足立区の皆様の期待に応えられるよう精一杯頑張ってまいります」とも語っている。

足立区役所(撮影/集英社オンライン)
改めて和田区議に直接、事の経緯と今後の自身の進退について尋ねるべく、自宅を訪ねたが、反応はなく電話に出ることもなかった。
選挙活動時には「議員特権を変えていく」と区民に訴えかけていた和田区議だが、まずは自身の行ったことに対して説明責任を果たすべきではないだろうか。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班