混乱の明治座、集まったファンは動揺し…

調べによると、マネージャーが自宅の半地下にあるクローゼットの中で意識がもうろうとしている猿之助を見つけ、続いて2階のリビングで仰向けに倒れている両親を発見。両親はふたり並んで布団がかかっている状態だったという。

「遺体を検視した結果、外傷はないものの死因は不詳で、19日に司法解剖を行い、詳しい死因を調べる方針。猿之助さんは自殺を図ったとみられ、会話ができる状態ではない。回復を待ってから状況を詳しく聞く模様だ」(社会部記者)

猿之助は5月3日から明治座(東京都中央区)で始まった「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」で昼夜2公演に出演中だったが、18日発売の「女性セブン」が「濃厚セクハラ」などと猿之助の性加害疑惑を報じており、この日は楽屋にも姿を見せていなかった。同日の公演の昼の部は中止、夜の部は代役を立てて行うことになった。

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明治座(撮影/集英社オンライン)
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明治座付近は公演を楽しみにしていた人や、事件取材に訪れた報道陣でごった返していた。
80代の男性客は沈みがちにこう話した。

「たまたまチケットが手に入ったから来ていたのだけど、大変なことになってしまったね。もちろん楽しみにしていたのは猿之助ですよ。報道も見ました…ご両親は残念な結果ではありましたが、本人だけでも一命をとりとめたのはよかったです」

着物姿で観劇に訪れた女性客は、古くからの「猿之助」ファンだったと語る。

「私はずっと歌舞伎を見ていて、猿之助は先代(二代目市川猿翁、俳優・香川照之=市川中車=の父)のころから見ています。今の猿之助も先代と同様、若い人を育てることに熱心で、主役を若い方に譲って自分は後ろに回ることも厭わなかった。だから猿之助主演の今回の公演はとても楽しみにしていて、5月14日にも見たところでした。前回公演ではお坊さんの役でしたが、今回は久々に綺麗な猿之助さんが観られて、とてもよかったんです。だから今日も楽しみにしていたのですが……」

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ファンと報道陣でごった返していた明治座(撮影/集英社オンライン)

70代の男性客は、公演の予定がどうなるかをやきもきしながら待っていた。

「ホームページを見ても今日の公演がどうなるのかよくわからなかったので、とりあえず現地に来てみました。現在、代役で公演をやるかどうか16時までにアナウンスがあるとのことで待っています。猿之助さんを見たかったので代役で公演をやるとなっても正直複雑です」

午後4時になる直前、明治座の正面入り口にスタッフが張り紙をすると、待ちかねていた人たちからどよめきが起きた。張り紙には18日夜の部は代役での上演を行い、19日昼の部は中止と書かれていた。また、19日夜の部以降の公演の詳細については改めてサイトで知らせる旨が書かれていた。