調べによると、マネージャーが自宅の半地下にあるクローゼットの中で意識がもうろうとしている猿之助を見つけ、続いて2階のリビングで仰向けに倒れている両親を発見。両親はふたり並んで布団がかかっている状態だったという。
「遺体を検視した結果、外傷はないものの死因は不詳で、19日に司法解剖を行い、詳しい死因を調べる方針。猿之助さんは自殺を図ったとみられ、会話ができる状態ではない。回復を待ってから状況を詳しく聞く模様だ」(社会部記者)
猿之助は5月3日から明治座(東京都中央区)で始まった「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」で昼夜2公演に出演中だったが、18日発売の「女性セブン」が「濃厚セクハラ」などと猿之助の性加害疑惑を報じており、この日は楽屋にも姿を見せていなかった。同日の公演の昼の部は中止、夜の部は代役を立てて行うことになった。
〈市川猿之助・救急搬送〉俳優にあてた遺書らしきメモ、両親は布団をかけられて死亡、セクハラ報道…「猿之助さんはものすごく繊細な方」「段四郎さんがグッタリとした様子で救急車に運ばれていた」
5月18日午前10時15分ごろ、歌舞伎俳優の市川猿之助(47)が両親とともに東京都目黒区の自宅で倒れているのをマネージャーが発見し、119番通報した。3人とも近くの病院に運ばれたが、父の歌舞伎俳優、市川段四郎さん(76)と母(75)は死亡、猿之助は命に別状はなかった。現場には知人の俳優にあてた遺書らしきメモが残されており、警視庁は回復を待って猿之助から詳しく事情を聞く方針だ。
混乱の明治座、集まったファンは動揺し…

明治座(撮影/集英社オンライン)
明治座付近は公演を楽しみにしていた人や、事件取材に訪れた報道陣でごった返していた。
80代の男性客は沈みがちにこう話した。
「たまたまチケットが手に入ったから来ていたのだけど、大変なことになってしまったね。もちろん楽しみにしていたのは猿之助ですよ。報道も見ました…ご両親は残念な結果ではありましたが、本人だけでも一命をとりとめたのはよかったです」
着物姿で観劇に訪れた女性客は、古くからの「猿之助」ファンだったと語る。
「私はずっと歌舞伎を見ていて、猿之助は先代(二代目市川猿翁、俳優・香川照之=市川中車=の父)のころから見ています。今の猿之助も先代と同様、若い人を育てることに熱心で、主役を若い方に譲って自分は後ろに回ることも厭わなかった。だから猿之助主演の今回の公演はとても楽しみにしていて、5月14日にも見たところでした。前回公演ではお坊さんの役でしたが、今回は久々に綺麗な猿之助さんが観られて、とてもよかったんです。だから今日も楽しみにしていたのですが……」

ファンと報道陣でごった返していた明治座(撮影/集英社オンライン)
70代の男性客は、公演の予定がどうなるかをやきもきしながら待っていた。
「ホームページを見ても今日の公演がどうなるのかよくわからなかったので、とりあえず現地に来てみました。現在、代役で公演をやるかどうか16時までにアナウンスがあるとのことで待っています。猿之助さんを見たかったので代役で公演をやるとなっても正直複雑です」
午後4時になる直前、明治座の正面入り口にスタッフが張り紙をすると、待ちかねていた人たちからどよめきが起きた。張り紙には18日夜の部は代役での上演を行い、19日昼の部は中止と書かれていた。また、19日夜の部以降の公演の詳細については改めてサイトで知らせる旨が書かれていた。
段四郎さんがグッタリとした様子で
救急車に運ばれるところでした
一方、事件が起きた猿之助さんの自宅はJ R目黒駅に程近い閑静な高級住宅街の一角。古くから近くに住んでいる60代の女性はこう語った。
「喜熨斗(市川)さん一家は40年ほど前に越されてきました。でもお仕事の関係上、近寄り難いこともあって、ご近所付き合いはまったくと言っていいほどありませんでした。昔から静かに暮らされていて、今朝も7時頃に通った時は、変わったところはなかったのですが」
別の近隣女性住民はこう話す。
「ゴミ捨てで段四郎さんと奥さんは見かけることもありましたが、猿之助さんはまったく見かけたことがありませんでした。でも人気な方なので、プライベートも気をつけているんだろうなと思っていました。段四郎さんは今月もゴミ捨ての時にお見かけしましたが、いつもと同じで特に変わったところもありませんでした」

目黒区にある猿之助さんの自宅(撮影/数英社オンライン)
近くに住む50代の女性は、猿之助たちが救急車で運ばれる様子を見ており、こう証言した。
「朝の8時頃に家の前を通ったときは、静かで異変とかは何もなかったです。事件が起きてからも、この辺りは音が響くから、おそらく音を消して救急車やパトカーも来たようで最初は気づきませんでした。でも10時半頃に『救急車が来てるよ』と近所の友人から連絡が来て様子を見に行ったら、ちょうど段四郎さんがグッタリとした様子で救急車に運ばれるところでした」

猿之助襲名の際の記者会見(写真/共同通信社)
ある梨園関係者は肩を落とす。
「前日に猿之助さんのスキャンダル報道が出ることは噂になっていました。ただ梨園では同じような内容のスキャンダルは過去にもあり、業界では“見過ごしてきたこと”でもありました。ですが、真意は別として、最近の過熱するジャニーズ事務所での性被害報道から何かを感じ取ったのかもしれません。猿之助さんも段四郎さんもものすごく繊細なかたですから…」
猿之助や段四郎の名跡を持つ澤瀉屋(おもだかや)は、梨園の中にあっては傍流ではあるが、宙乗りや早替わりなど先代猿之助(猿翁)が始めたスーパー歌舞伎が人気を博すなど、熱心なファンが多いことで知られる。
しかし、猿之助の従兄弟である市川中車(香川照之)が銀座の高級クラブでホステスに行った性加害を昨年「週刊新潮」が報じ、出演作が途中で打ち切りになるなどの問題があったばかり。
芸能界が抱える「性加害問題」は今後、新たな局面を迎えるのだろうか。
※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。
メールアドレス:
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
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