路上で客引き行為をしたなどとして、警視庁生活安全特別捜査隊は5月10日、東京・神田で風俗案内所を経営する石井純平容疑者(46)と36~48歳の従業員の男ら計5人を都迷惑防止条例違反の疑いで逮捕したことを発表した。
都条例では、公共の場で風俗店に客引きする行為を禁じている。石井容疑者が経営する案内所はJR神田駅周辺に3店舗あり、2019年1月~今年5月にかけて、1日あたり50~60人をキャバクラやガールズバーなどに紹介し、1人につき5千円の紹介料を得ていたという。
「これまでは客引きをしている人物を現行犯逮捕しても、『フリーで仕事を請け負っていた』などと言い逃れするケースも多く、雇用関係があると判断して雇用主まで摘発するのは難しかった。今回は石井容疑者が従業員に無線で指示を送っていたり、1日約8千円の日当を支払ったりしていたことがわかり、雇用関係があると判断した」(社会部記者)
〈悪質客引きで無料案内所の経営者逮捕〉ガシッと肩をつかんで「4千円でどうですか?」「あそこの紹介する店はババアばかり」と他店批判も。店員は直撃に「記者さんも遊んでってくださいよ、いい店紹介するんで(笑)」
従業員に客引きをさせたとして、警視庁は5月10日、JR神田駅周辺の風俗案内所「神田44」を経営する石井純平容疑者(46)のほか、客引きをした従業員4人を逮捕したと発表した。客引き行為の指示に関して無料案内所の経営者を逮捕するのは都内では初。同店には去年1年間に悪質な客引きを受けたという通報が160件寄せられていて、警視庁も警戒を強めていた――。
1人につき5千円の紹介料を得ていた

摘発された「神田44」(撮影/集英社オンライン)
無料案内所とは、繁華街の中にあるキャバクラやガールズバー、風俗店などを無料で紹介・案内している場所だ。案内所は契約している店のみを紹介しており、「指名料無料」や「プレイ時間延長」など、独自の割引サービスを受けられる場合もある。「観光案内所」の夜遊び版といえば伝わりやすいだろう。
風俗店関係者によると、無料案内所の収益はおもに2つ。提携店からの契約料と、客を連れてきた(紹介した)仲介料だ。後者は完全歩合制のため、人気店と不人気店で大きく差がつくが、それを補うために行なわれているのが「客引き」だという。
都内の無料案内所に勤務する男性(40代)はこう言う。
「たしかに都の条例で『客引き』は禁止されてますが、ほとんどの店舗の従業員は、路上に立って通行人に声をかけたり、店の前で呼び込みをしています。ただ、客引きは違法行為であるとは重々承知しているので、しつこく声をかけたりはしません。特に昨今では、繁華街での客引き防止のアナウンスも多くなりましたから」
「○○が紹介する店はババアしかいない」と悪口
「神田44」は業界内でも悪評高かった。近くで同業種店を営む男性はこう証言した。
「僕らから見てもひどい客引きでしたよ。『無料案内所』と書かれた白い法被を着たり、お店のボードを持ったりして、かなり目立っていました。すぐに『おっぱいどうですか?』『セクキャバありますよ!』なんて卑猥な言葉でたくさんの人に声をかけて、押せば入店すると見たら、十数メートルはついて行く。神田駅の西口と北口を出てすぐの場所にあるから、改札を出た人にガンガン声をかけていたんです。酔っぱらった客と喧嘩をすることも日常茶飯事でしたし、あれでは神田という街自体を嫌いになる人たちも出てくるんじゃないか…と心配してました」
別の同業者はこう語る。
「あそこは神田エリアでも悪名高い店だったので、全部で20軒ほどある無料案内所の同業者全員から嫌われてましたね。通行人の目の前に立ちふさがったり、つきまとったりするので、ウチに来たお客さんの中には、『あそこ(神田44)ウザいから通報しといたわ』なんて言う方もけっこういました。
あと、何と言っても許せないのが、周りの無料案内所の悪いウワサをお客さんに吹き込むんです。『○○が紹介する店はババアしかいない』『○○はぼったくり店だよ』なんて平気で言ってるみたいで、本当に頭にきますよ。しかも路上で客引きするときも、店ごとに定めたナワバリ(範囲)も守らないし、他の案内所の従業員と殴り合いの喧嘩に発展することもしょっちゅうありました。

神田エリアのある東京都千代田区では客引きは禁止されているが…(撮影/集英社オンライン)
逮捕された従業員の中に、背の低い小太りの40代くらいの男がいるんですけど、よく路上でシャドーボクシングをやるほど血の気が多いんです。そいつが声かけしたときに、酔っぱらった通行人が『邪魔だよ!』と言ったら、『はぁ? 今なんて言ったコラ!』と突っかかっていったこともあって。そういうタチの悪い客引きばっかりしてたから、160件もクレームが寄せられて、警察も動いたんじゃないですか?」
通行人からも芳しい評判は聞こえてこなかった。
「よく客引きを見たのは夜の8時から11時くらいですかね。男性のキャッチが毎日3人くらいいて『おっぱいありますよ』とか卑猥な言葉で、改札を出た瞬間に声をかけてくるんです。大体引っかかるのは酔った人で、肩をガシッと掴まれて、案内所に連れていかれるんです。ぼったくりだとかは聞いたことないですけど、僕の周りにも『キャッチがしつこい』と言ってる人は多かったですよ」(30代男性・サラリーマン)
店舗を直撃 「客引きなんて警察のサジ加減しだいだし」
石井容疑者が逮捕された翌日の5月11日22時ごろ、無料案内所「神田44」の西口店は、まるで何事もなかったかのように通常どおり営業していた。
若いサラリーマンらしき男性グループがのれんに吸い込まれていく――。
記者が店の前に足を止めると、お馴染みの白い法被ではなく、黒スーツ姿の男性従業員が「お遊びどうですか?」と声をかけてきた。身分を名乗り従業員を直撃したところ、あっけらかんとした答えが返ってきた。

店は営業していた(撮影/集英社オンライン)
「さすがにあの逮捕があってから北口と東口は閉めてますけど、ここ(西口)は普通に営業してますよ。だってほら、見てくださいよ。なにかやましいことがあったら、こんなにビカビカと電気をつけて、音楽鳴らして営業できますか? 客引きなんて警察のサジ加減しだいだし、あんなの気にしてたら商売できないっすよ。その代わり今、従業員の数が足りてなくて。警察に法被も取り上げられちゃったので、もう大変なんですわ。
まぁ、あと10日くらいでパクられた従業員も戻ってくるはずなんで、そしたら北口も再開する予定っすね。どうせなら記者さんも遊んでいってくださいよ、いい店紹介するんで(笑)」
この一件で反省したかと思いきや、その様子はまったくなし。
神田の歓楽街に、明るい未来が訪れる日はやってくるのだろうか――。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
新着記事
眉毛の“土台”作りに役立つエテュセの超極細ライナー【7月20日発売】

【相原コージ】精神科閉鎖病棟は夜9時に就寝。しかし30分ごとにやってくる見回りが気になって寝れない。「大うつ」の俺に安眠はやってくるのか
うつ病になってマンガが描けなくなりました(15)


【相原コージ】入院後、待ちに待った妻と息子との面会。気分が昂ったためか、自分でも思ってもみなかった行動に出てしまい……
うつ病になってマンガが描けなくなりました(17)

〈女子ゴルフ〉ステルス 2にドライバーを変えたら、球筋の素性がよくなってランが出るようになった!


