現場近くには血のついた包丁のようなものが落ちていて、それが凶器とみられている。
刺された生徒は病院に運ばれたが命に別状はなく、手当を受けている。
逮捕された山下容疑者は生徒の父親が勤務する近くの家電量販店で度々トラブルを起こし、その都度接客対応に父親を指名していたといい、同署では動機を追及している。
〈蒲田・中1刺される〉白いスニーカーが血で真っ赤に染まって…被害者父は「顔知ってます、名前もわかります」と警察に伝達。前日には「もう店なんか行かないからな!」と怒鳴り声が…
東京都大田区西蒲田の住宅街で5月10日午前8時ごろ、自宅から登校しようとしていた中学1年生の男子生徒(13)が男に刃物で胸の近くを刺された。騒ぎを聞きつけた近所の人が110番通報し、駆けつけた警視庁蒲田署員が、現場付近で手や服が血まみれだった住所職業不詳、山下泰範容疑者(61)を発見し、傷害容疑の現行犯で逮捕した。
「子供が刺されたんです! 警察呼んでください」

事件現場となった被害者の自宅付近(撮影/集英社オンライン)
現場はJ R蒲田駅の西約400メートルの住宅街で、付近には高校や小中学校があり、犯行時間には通学児童たちも大勢近くを通っており、騒然とした。
近所の人によると、生徒は4人きょうだいの長男で、両親と6人家族。110番通報した70代の女性は興奮気味にこう話した。
「午前8時過ぎに外から『子供が刺されたんです! 警察呼んでください! 救急車呼んでください!』と叫ぶ声がハッキリと聞こえ、2階のベランダから様子を見るとお母さんが家の前でしゃがみこんで子供を抱きしめていました。只事ではないと思って警察に電話しながら外に出ました、それが8時6分のことです。外に出ると、お母さんが泣きながらガレージ前で刺された子をぎゅっと抱きしめ、お父さんはその後ろで一番下の2歳の子を抱っこしながら慌てていました。真ん中の2人の子はいなかったので、もう小学校に登校していたんだと思います」
制服姿の長男の白いスニーカーは真っ赤に染まり、ガレージに直径30センチほどの血溜まりができていて、母親が「何回も刺されたんです」と繰り返していたという。
女性が続ける。
「刺されたお兄ちゃんは座り込んで声も出せず、母親に抱かれながらも目は開いていたんですが、途中から目も閉じちゃって心配になりました。その時、警察との電話はまだ続いていて犯人像を聞かれたんですが、私は見ていなかったので…。
でも、そばにいたお兄ちゃんのお父さんが『顔知ってます、名前もわかります』と言うので電話を代わりました。8時10分頃には救急車が到着して応急処置をしてすぐに病院に搬送し、続いて警察官が何人も来られました。しばらくするとお兄ちゃんの通う近くの中学校から先生方が何人も様子を見に来られました。お兄ちゃんは下の子たちの面倒見もよく、ご近所の挨拶も欠かさずにする優しい子ですよ」

事件現場となった被害者の自宅前、ガレージ付近は血溜まりができていたという(撮影/集英社オンライン)
女性によると、事件の予兆は前日からあったという。女性はさらにこう証言した。
「とても仲の良い明るいご家族で、いつも夕方になると楽しそうな話し声も聞こえてくるんですけど、昨日は午後6時過ぎに『もう店なんか行かないからな!』という怒鳴り声が聞こえたんですよ。いつもと違う聞き覚えのない声でした。近所の人が言うにはその時間帯に容疑者に似た人がしつこく何度もインターホンを押していたそうなので、怒鳴り声もその方だと思います。お店というと、お父さんが働いている家電量販店かもしれませんが、お父さんは人当たりのいい子煩悩な方で、恨まれるようなことはないと思うんですけど…」

確保された山下容疑者(FNNより)
父親の職場の家電量販店は取材に対し「警察の指示で何も話せません」と答えるだけだった。
※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。
メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com
Twitter
@shuon_news
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
新着記事
親ガチャの真実…身長・体重は9割、知能・学業成績も5、6割は遺伝という衝撃! 生まれてくる時期や場所、親は選べないけれど、いつまでもその場所にいるわけではない
「居場所がない」人たち#3

なぜ鬼畜米英を叫んだ戦前の右翼は、親米へと「華麗なる変身」を遂げたのか。靖国参拝しながら“アメリカは同盟国!”の思考分裂
『シニア右翼-日本の中高年はなぜ右傾化するのか』#1

