「テロか!?」券売機横のコーヒー缶が「パンッ」と爆発！ 女性2人負傷…騒然となった足立区・西新井駅で中国人男性を確保！「混ぜるな危険」洗剤×アルミ缶化学反応のヤバさ

「パーンっと風船が破裂するのとよく似た音が駅構内に響いて、最初は風船が破裂したのかと思っていました。しかし、その直後に女性の悲鳴と泣き叫ぶ声が聞えてきたので、何かがあったのだろうと思い、声のした方を見てみると券売機の前に若い女性がいるのが見えました。女性は額のあたりを白いタオルで押さえるようにしながら駅員と一緒に事務室に入っていきました。その後、救急隊員が来て担架に乗せられて運ばれていきました」（現場近くにいた女性販売員）

午後4時前、券売機の付近に置かれたコーヒー缶が突如破裂し、近くにいた20代の女性が缶の中に入っていた液体を浴び、顔などにヤケドを負った。20代の女性は病院に搬送されたが命に別状はなかったという。
ヤケドを負った女性を介抱していた駅員の女性も液体が手につき、軽いケガをした。
駅員は「パンという爆発音がして缶が割れ、中から液体が出ている」と110番通報し、多くの警察官や消防隊員などが西新井駅に駆けつけた。

コーヒー缶が破裂した券売機周辺にブルーシートが張られたのはちょうど帰宅ラッシュ時で、多くの乗降客が通行する中、捜査は行われた。ブルーシートの中を防護服姿の捜査員が行き来し、ブルーシートの外では制服警官が並んで、「立ち止まらないでください。ご協力お願いします」と乗降客に呼びかけるなど、現場は騒然とした。
爆発直後に訪れたという男性は不安気な様子で語った。

「煙などは出ていなかったのですが、岸田首相の応援演説の襲撃が記憶に新しかったのもあって、爆弾を使ったテロだと思いました。それに爆発物処理班のような捜査員が黒いボックスに慎重に何かをいれる様子も爆弾を処理しているようにしか見えませんでしたし、券売機の周辺に液体が飛び散り、ガスのような匂いもしたので、爆発させて何か有毒な液体をまいたのかなと思いました」

現場近くの防犯カメラには40代の男性が缶を置く姿が映っており、警視庁は男性の身柄を確保し、現在詳しい事情を聞いている。
捜査関係者が語る。

「現場から立ち去った中国籍の49歳の男を任意で事情聴取している。男は駅の券売機で定期券を購入する際に近くにコーヒー缶を置いていった。男は『故意に破裂させたわけではない。勤め先の洗剤を家で使おうと思って缶コーヒーに入れて持って帰った』と話している。缶はキャップ付のアルミ缶だったが、強いアルカリ性の液体が原因で圧力がかかり破裂した可能性が高く、急ぎで液体の成分の分析を進めている。今後は過失傷害も視野にいれて捜査していく方針だ」

実は洗剤を入れた容器が破裂したという事件はこれまでにもある。
2012年10月に東京メトロ・本郷三丁目駅近くで車両内にあった缶コーヒーが爆発し、乗客の男女計16人が負傷したのだ。缶コーヒーは乗客の女性の物で「飲食店で使っていた業務用洗剤をアルミ缶に入れて持ち帰る途中だった」という。
強いアルカリ性の洗剤がアルミ缶と化学反応を起こし、破裂した可能性が高いとされていたが、今回の西新井駅で原因となったコーヒー缶もアルミ缶だ。あわやテロかと思われた騒ぎとなったが、警視庁によると現時点ではテロ事件の可能性は薄いようだ。

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取材・文／集英社オンライン編集部ニュース班