〈横浜・入れ墨格闘家〉彼女の自転車を倒され激怒、ナタを持って住人を襲撃！ 「普段は礼儀正しいけど、お酒が入るとちょっとキレやすくなる」

「これは誰がやったんだっ」
右の目じりの下と首元にタトゥーを入れた男が怒り狂った様子で横浜市南区の自宅マンションの1階、自転車置き場に現れたのは深夜1時30分を回った頃だった。
これは事件を起こす直前の平綿由政容疑者（34）の様子だ。同じマンションの住民が語る。

「ガシャーンという派手な音に驚き、外に様子を見に行くと被害者の男性がマンション前の自転車置き場に並べてある自転車を次々倒していたところでした。被害者の男性は自転車を倒した後、連れていた女性を送るためかマンションには入らずそのまま歩いてどこかに行ってしまいました。明らかに酔っぱらっていてわけのわからない状態だったので私が自転車を起こして並べ直しました」

それから10分にも満たないうちに被害者の男性はマンション前に戻ってくると、住民が起こして並べなおした自転車を再度倒し始めたという。自転車を倒し終わると被害者の男性はマンション内の自宅に戻っていき、それと入れ違いに下に降りてきたのが平綿容疑者だった。

「まったくしょうがないな、と私がまた自転車を起こしていると怒気をはらんだ様子で平綿容疑者が降りてきました。平綿容疑者は4階に住んでいたのですが、遊びに来ていた彼女の自転車を倒されたことを怒っているようでした。1階に降りてきた際にはナタなどは持っていなくて、自分の部屋から様子を見ていたのか『誰がやったんだ？　〇階のやつか？』などと尋ねてきたのですが、私が『上の階の人ですかね』と曖昧に答えているとマンション内に戻っていきました」（前出・同じマンションの住民）

その後、平綿容疑者が被害者の男性の部屋に、ナタのようなものを持って押しかけて男性の頭部に振りおろしケガをさせたと見られている。

捜査関係者が語る。

「襲われた男性宅のインターフォンにナタのような物を持った平綿容疑者が録画されていたことから関与が浮上し、同日の午後9時30分には殺人未遂の疑いで通常逮捕した。平綿容疑者は調べに対して『言いたくありません』と黙秘を続けている。2人に面識はなかった可能性が高く、詳しい動機を含め今後慎重に捜査をしていく」

平綿容疑者は強面の外見とは裏腹に近隣の人達は口をそろえて「礼儀正しい青年」だと言う。平綿容疑者とは一体どんな人物なのか。別の近隣住民が語る。

「エレベーターで一緒になると必ず向こうから挨拶してくれて、降りる際も先に私が降りるのを待っててくれました。自宅には彼女もよく来ているようでマンションの前でとても仲良さそうにしているのを何度か見ました」

自宅マンション近くの飲食店でも同様に平綿容疑者の評判はよかった。平綿容疑者がボトルをキープしているという居酒屋店主は事件の一報に動揺した。

「見た目はタトゥーも入っているし、やんちゃそうだけど喋り方も丁寧だし、『おいしかったです』なんて言って本当に好青年だったんですけどね。ウチには彼女と一緒に来ていて、彼女も昼間事務をしている感じの“普通の子”です。事件の報道を見た時は残念だったけど、正直あんな好青年なら刑務所から出てくるまでボトルをとっておこうかって思えるくらいです」（居酒屋店主）

また、格闘技が好きだったという平綿容疑者は自身のSNSで練習に取り組む様子やアマチュアのキックボクシングなどの試合に出た際の様子を度々投稿していた。
試合前には「いっぱいぶん殴って今年1年分ぶん殴ります」と好戦的な投稿もしているが、実際はおとなしい青年だったという。平綿容疑者の通っていたジムの関係者が語る。

「ヨシ（平綿容疑者）がウチに通いだしたのは3年くらい前からかな。ウチはキックボクシングですがその前から格闘技はやっていたみたいですよ。詳しい仕事はわからないのですが、もともと設備関係の仕事を雇われでやっていて、そこから独立して自営でやっていたと聞いていました。仕事をしながらジムに週1～3きて練習してという感じです。センスはあるんですが、性格的に格闘技が向いてないんじゃないかってくらいおっとりしていました。見た目だけで誤解されがちですが、どこかの不良グループに属していたとかそういうのはなかったと思いますよ」

そんな平綿容疑者だったが、お酒が入るとこれまでの証言とは異なる様相を呈してくるようだ。ジムの関係者が続ける。

「ただ、お酒が入るとちょっとキレやすくなるという面はありました。自分は3年間で一度だけしか見たことないけど、お酒の席で後輩がヨシに失礼な発言をした時に、キレてしまって後輩を殴ったことがありました。今回の事件も、彼女の自転車を倒されてキレてしまったのではないかと思いますが、例えキレたとしても〝ナタ〟というのが解せません。ヨシの実力なら相手が素人であれば素手でもまず負けない実力でしたから……」

理由はどうあれ格闘家が一般人を暴行するなど、ましてや武器を持って襲うなど決して許されることではない。

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取材・文／集英社オンライン編集部ニュース班