1980年代に複数の不動産を所有していた松坂慶子

なかでもその存在感を放っているのが主人公・万太郎(富太郎)の祖母・タキを演じる松坂慶子だ。特に第5回(4月7日放送)では、万太郎
の母・ヒサ(広末涼子)の死が迫るなか、万太郎たち子どもの姿がない。それを知ったタキが「見つけえ~、 このうえ子供らまで、許さんき! 絶対許さん!」と叫ぶ鬼気迫る様子はSNSでも大きな話題になったほど。また、4月18日放送回でも縁談を断った万太郎の姉・綾(佐久間由衣)に「おまんには恥をかかされた!」と一喝。さらに綾が新しい酒を勝手に作ったと知ると「いかん!」「そんなさもしい酒、下げなさい!」と、その迫真の演技と存在感が大いに話題になっている。

厳格な祖母タキ(NHK・らんまん公式Twitterより)


押しも押されぬ日本を代表する大女優である松坂だが、実は今から30年ほど前には、連日マスコミを賑わす大スキャンダルを巻き起こしていた。

1970年に大映東京撮影所に入社し、女優デビューを果たした松坂だが、その後『青春の門』、『男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎』、『蒲田行進曲』、『人生劇場』、『火宅の人』など数々の話題作に出演、その地位を不動のものにしていく。そしてその陰には“父娘二人三脚”と言われた父親・英明氏の存在があった。

「松坂は複雑な生い立ちで、極貧のなかで育ちました。しかし父親の英明氏は松坂に歌、ピアノ、児童舞踊などを習わせていた。松坂は高校三年生でデビューしましたが、その後、父親は個人事務所の社長に就任し、その収入を管理するなど娘の活動を支えていったのです。そして一家の生計は松坂の収入によって支えられ、1980年代には都内に複数の不動産を持つまでになっていった」(当時を知る芸能記者)

「おまんに は恥をかかされた!」“らんまん“厳しすぎる祖母タキ役・松坂慶子、貫禄の演技の裏に波乱万丈70年‼ 恋多きスキャンダル、伝説の定例会見、両親との確執を乗り越えて_1
1979年にリリースした「愛の水中花」。バニーガール姿が話題に。(日本コロムビアより)
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芸能界におけるステージパパの走りともいうわけだが、そんな一家に大きな出来事が起こる。それが家族の大黒柱となっていた松坂の結婚だ。
1991年1月、松坂はジャズギタリストの高内春彦と電撃的に結婚式を挙げた。当時、高内氏は無名で収入も少なく、“格差婚”と話題になったが、2人はニューヨークに住み、翌年には長女も生まれるなど結婚生活は順調に見えた。