和歌山市の雑賀崎漁港で4月15日午前、衆院補選の応援演説に来ていた岸田文雄首相を狙って爆発物が投げられたとみられる事件で、和歌山県警は威力業務妨害容疑で木村隆二容疑者(24)を現行犯逮捕した。爆発した円筒状のものとは別に、現場には別の金属製のパイプ爆弾のようなものも落ちていたことから、周到な計画を立てたうえでの犯行とみられる。はたして容疑者はどんな人物なのか。現住所である兵庫県川西市を取材した。
〈パイプ爆弾で岸田首相襲撃〉「父親に『グズグズするな』と怒鳴られていた」「図書室が居場所だった」木村隆二容疑者(24)の素顔。ネットの“怪情報”に同級生が反論
4月15日、岸田首相の演説会場で爆発物を投げ、威力業務妨害の疑いで和歌山県警に逮捕された木村隆二容疑者(24)。まるで昨夏の奈良で起きた“悪夢のデジャブ”だとネットは大炎上している。近隣住民や中学時代の同級生が語る容疑者の素顔とは…
7~8年前からお父さんを見なくなりました

確保された木村容疑者(写真/共同通信社)
「木村さんご一家はもともと近所の県営住宅に住んでいて、15年ほど前にこちらに引っ越して来られました。当時はご両親と隆二さんとお兄さん、女きょうだいの5人家族だったんですけど、7年くらい前からお父さんを見なくなりました。お父さんは宅配の仕事をしていたのですが、大声で怒鳴る声がよく聞こえてきて、怒りっぽくて怖い印象でした。ですから今はお母さんと3人きょうだいの4人暮らしだと思います。お兄さんは隆二さんの一つ上で、年子のはず。近くの小学校・中学校に通っていて、大人しくて静かな感じで、目立った話も聞いたことがありません」(近隣住民)
父親が突然いなくなったことについては、別の住民もこう証言する。
「木村さん宅のガレージには乗用車が2台あって、夕方にお父さんが出かけて1台になり、朝方帰ってきて2台になっているというパターンでした。ところが5、6年前からずっと1台だけになり、そのころからお父さんを見かけなくなりました。同時期に、お母さんもラフな格好ながら、きちんと化粧をして外出するようになったので働き始めたのだと思います。隆二君はほんとに大人しくて、優しそうな感じの子です。いつもお母さんと一緒でニコニコ笑っていて、車で買い物にもよく出かけています。2〜3週間前にも2人でガーデニングしているところを見ましたよ。逆にお父さんといるところはほとんど見たことがなくて、隆二君が高校生の時にガレージでお父さんに『グズグズするな』と怒鳴りつけられていたことがあったくらいですね。

ガーデニングの手入れがいきとどいた木村容疑者の自宅
隆二くんは高校卒業後の1〜2年の間は規則正しく毎朝バスに乗ってどこかに行ってたので、進学したか就職したのかと思っていました。今回の事件は、ウチの主人がテレビで見ていて気づいて『おい!』と呼ばれたので見てみると、彼が取り押さえられていたので本当にびっくりしました。服装はいつもピッタリとしたチノパンを穿いていたのですが、まったく同じ格好だったので間違いないなって…」
テニス部で大人しい子、勉強もスポーツもフツウ
近隣住民は皆「おとなしかった」と証言する木村容疑者。だが、ネット上で“中学の同級生”を名乗る人物は「木村隆二って同じ中学だったキムソンやん」「頭悪い何でも他人のせいで強欲で嫌がられてた」「嫌われてたよ自分より無知そうで弱そうな相手探して何でも知ったかぶりして高圧的な態度で支配してくるから」などとツイートし、今も炎上している。
だが、複数の同級生は集英社オンラインの取材に答え、カキコミの内容をこう否定した。
「『キムソン』なんてあだ名、聞いたこともありません(笑)。そもそもおとなしい、目立たないグループにいました。勉強も運動も出来は中くらい、平均だったと思います。中学時代に政治のことや特別な思想を話していることは聞いたことがない、今回の事件はクラスのLINEグループでも話題になっています」(当時のクラスメイト)

木村容疑者の自宅周辺を歩く捜査員(撮影/集英社オンライン)
別の同級生もこう語った。
「木村くんはテニス部で、大人しい子でした。別に暗いわけでもなく、勉強もスポーツも可もなく不可もなくで、とにかく目立つタイプではなかったです。印象に残っているのは、昼休みに外に出て遊んだりはせず、いつも教室か図書室でよく本を読んでました。ある日、図書室でよく顔を合わせるものだから『漫画も読んだりするの?』って聞いたら、読んでる漫画の話で少し盛り上がった気はしました。
ただそれでも他の場所では会話をすることはなく、あいさつ程度で、木村くんから近づいてくることはありませんでした。中学で会ったのが最後で、それ以降は同窓会などでも見かけることはなく、同級生たちの噂にも出てこなくて、何をしているのか謎でした」
ガーデニング好きの母親思いのおとなしい青年。中学の同級生や近所の評判から想像する木村容疑者は、「テロ事件」とは無縁の存在にしか見えない。動機の解明が待たれる。
※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。
メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com
Twitter
@shuon_news
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
関連記事




山上容疑者の母が見た「死んだ夫の霊」の正体と、旧統一教会の教学システム

山上容疑者は“インセル”? 「旧統一教会問題」報道における日本と海外の根本的な相違
新着記事
両津勘吉、驚異の肉体
「現役JKが、あらゆるグラビアの中で最強だと思っています」現役女子高校生グラドル、鈴原すずの野望
